メキシコの児童施設で600人保護、害虫繁殖する劣悪な環境

2014.07.17 Thu posted at 13:20 JST

(CNN) メキシコの司法当局は17日までに、南西部ミチョアカン州の児童施設で劣悪な環境に置かれていた子どもや成人ら約600人を保護したと発表した。子どもたちは親との面会も許されず、害虫が繁殖する極めて非衛生的な環境で肉体的、精神的、性的虐待を受けていたとされる。

摘発されたのは同州サモラにある児童施設の「ビッグファミリー」。子どもに面会できないという親の訴えが相次いだことを受けて当局が15日に捜索し、子どもたちが置かれた状況のあまりの悲惨さに目を見張ったという。

調べによると、子どもたちは頻繁に路上で物乞いをさせられ、非衛生的な食事をさせられて、ネズミやゴキブリがはびこる固い床の上で寝ることを強要されていたと話しているという。同施設にこれほど大勢の子どもがいた理由は分かっていない。

当局は同施設を経営していたカルメン・ベルデュスコ容疑者と職員8人を拘束し、虐待などの容疑で取り調べている。

ビッグファミリーには生後2カ月の乳児から40歳までの男女が暮らしていた。未成年は3~17歳が中心で、内訳は男性278人、女性174人。乳幼児も6人いた。また、18~40歳の成人も138人が保護された。

被害者の女性の1人は、18歳になったら施設から出る許可をベルデュスコ容疑者からもらっていたにもかかわらず、それから13年もの間、職員として働かされていたと証言した。

施設にいる間に女児2人を出産したが、2人とも別の名前で届けが出され、2カ月ごとに3時間しか面会を許されなかったとしている。

当局は、保護した子どもたちを預かる場所がすぐには見つからないとして、同施設でネズミやトコジラミなどの害虫駆除を行っている。

慈善団体の関係者は16日、「今は徹底的な清掃を行っている最中だ。トコジラミやゴキブリやネズミが食べ物の中にまでいた。子どもたちに与えられていた食事は傷んで消費期限が切れていた」と話した。

ビッグファミリーは40年以上前から運営されていたといい、施設のウェブサイトには、ベルデュスコ容疑者が10代の時から保護者のいない子どもたちの面倒を見るようになったと書かれている。子どもたちは街で新聞などを売って運営資金の工面を助けているという説明もあった。

子ども500人を保護 メキシコ

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。