ガザ市(CNN) イスラエル軍とイスラム組織ハマスが衝突するパレスチナ自治区ガザ情勢は15日、エジプトが示した停戦案が不成立に終わり、いったん攻撃を停止したイスラエル軍も空爆を再開した。
イスラエルは15日早朝の治安閣議で、同日午前9時以降は空爆を停止するとの決定を下した。しかしその後再び緊急の治安閣議を開き、6時間後には再開を宣言。現地のCNNスタッフによると、直後に少なくとも5回の空爆を実施した。
イスラエル当局者らによれば、ハマスからの攻撃はこの間も続き、6時間のうちにロケット弾47発がイスラエル領内へ撃ち込まれた。同日早朝からのロケット弾の合計は140発を超え、6分間ごとに1発の割合で発射された計算になるという。
イスラエル側は戦闘停止に同意した時点で、ハマス側が応じなければ停止は長続きしないと警告していた。ネタニヤフ首相は「ハマスは攻撃を続けるという決断をした。その決断に対する報いを受けることになるだろう」と述べた。
停戦工作が失敗に終わったことにより、戦闘終結はさらに遠のいた。
先週から続く戦闘によるパレスチナ側の死者は、同日までに190人を超えた。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はイスラエル軍に対し、「民間人を危険にさらす攻撃は国際人道法に反している」として、攻撃の停止を強く求めた。
一方、14日にはイスラエル側で初の犠牲者が出た。イスラエル救急当局によると、ガザとの境界にあるエレツ検問所で、兵士に食料を届けようとしていたボランティアの男性が砲弾を受けて死亡した。
米国のケリー国務長官は中東訪問の予定を延期してエジプト案の行方を見守っていたが、ハマスが攻撃を続けたことを強く非難。必要ならば16日にも中東へ向かうとの構えを示した。