米国、イラク過激派指導者の暗殺を検討 無人機で

無人攻撃機による暗殺作戦の検討が進んでいるという

2014.07.10 Thu posted at 18:59 JST

(CNN) 米国防総省当局者は10日までに、イラクで軍事攻勢を仕掛ける過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ師の無人攻撃機による暗殺作戦の遂行について、オバマ米大統領の許可を求める時期を検討していることを明らかにした。

米軍などがイラクで現在進める情報収集活動の経緯に詳しい複数の同省当局者が述べた。

作戦実施について最終の許可権を持つ大統領に提案するには、同師の居場所に関する具体的かつ詳細な情報の提示が必要と指摘。作戦遂行で市民に危険が及ばないとの情報も不可欠とした。

また、ISISがイラク駐在の米大使館や米国民に脅威を与えているとの状況説明も大事と述べた。

さらに、同師の所在地などに関する情報をイラク政府に提供し、捕捉(ほそく)もしくは殺害させる作戦を促すことも可能と指摘。イラク内で米無人機による攻撃を実施し、米国はイスラム教シーア派にくみしているとの印象を持たれる事態への配慮も必要と述べた。

ISISはスンニ派で、イラクのマリキ首相はシーア派となっている。ISISの勢力拡大の背景には同首相によるスンニ派の冷遇が一因との見方もある。

米政府はバグダディ師の捕捉などにつながる有力情報の提供に1000万ドル(約10億1000万円)の報奨金を約束している。同師の姿は先週、ISISが制圧するイラク北部のモスク(イスラム教礼拝所)で確認されていた。目撃者によると、大規模な車列を従えてモスクに到着、住民らに囲まれていたという。

米軍は現在、イラク内に戦闘部隊を保持していないため、同師の拘束は困難となっている。米軍特殊部隊による秘密の捕捉作戦の実施は可能だが、発覚した場合、米国によるイラク主権の侵害と受け止められる懸念もある。

無人機利用の暗殺を検討

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