エルサレム(CNN) イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザに拠点を置くイスラム組織ハマスとの戦闘が激化し、イスラエル側は地上戦も辞さない構えを示している。
イスラエルによると、ガザからは8日、ロケット弾130発以上が撃ち込まれた。一方パレスチナ側は、ガザに対するイスラエル軍の空爆で24人が死亡、150人以上が負傷したと報告している。イスラエル側は、ガザからの攻撃を阻止するために空爆を実施し、ガザの「テロ拠点」約150カ所を攻撃したと発表した。
イスラエル中部の商業都市テルアビブにも空襲警報が鳴り響いた。イスラエル軍は8日、同市を狙ったロケット弾の迎撃に成功したと発表した。
テルアビブへの攻撃については、パレスチナの武装組織イスラム聖戦が「ユダヤ人からの攻撃に対する報復だ」とする犯行声明を出した。イスラエルは、ガザで活動する集団の行為はすべてハマスの責任との認識を示している。
ハマスはテルアビブの南東に位置するエルサレムや、北部ハイファにもロケット弾を撃ち込んだと発表した。エルサレム西方では爆発音が3回響いたが、死傷者は報告されていない。
8日に開かれたイスラエルの閣議では、必要となれば予備役4万人を招集する方針が承認された。軍報道官によると、これまでに動員した予備役は約1000人にとどまっている。同報道官は、地上戦に突入する可能性に言及した。
イスラエルのシュタイニッツ情報相もCNNとのインタビューで、地上軍による作戦が「必要になるかもしれない」との見方を示した。
ガザ境界に近いイスラエル軍ジキム基地付近の海岸には、ハマスの奇襲部隊とされる武装グループが上陸を図り、イスラエル軍部隊と銃撃戦になった。イスラエル軍は、8日夜までにグループのメンバー5人を殺害し、軍兵士1人が軽傷を負ったと発表した。
パレスチナ側の情報によると、イスラエル軍がガザにあるハマス軍事部門のメンバー宅を空爆した際、屋根の上で「人間の盾」になっていた住民少なくとも6人が死亡した。この中には子ども2人も含まれていたとされる。
イスラエル軍は7日、ガザ住民らにまいたビラで「テロリストが住宅地に紛れ、住民を危険にさらしている」と警告。武装勢力の活動に関する情報提供を呼び掛け、連絡先の電話番号とメールアドレスを伝えていた。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は8日、イスラエルに対してただちに攻撃をやめるよう要請し、「罪のない人々を大量殺人から守るために停戦が必要だ」と訴えた。