エルサレム訪問の米国人少年、治安要員に殴られ拘束か

2014.07.06 Sun posted at 12:48 JST

(CNN) 十代の少年らの誘拐、殺害を巡ってイスラエル、パレスチナ間の緊張が高まるなか、エルサレムを訪れていたパレスチナ系米国人の少年(15)がイスラエルの治安要員から暴行を受けた場面とみられるビデオが公開され、親族らが抗議している。少年はイスラエル当局に拘束されているが、拘束理由は明らかになっていない。

少年は米フロリダ州タンパに住む高校生。余命いくばくもないパレスチナ人の祖母を見舞うため、十数年ぶりにエルサレムの親族宅を訪問していたとされる。

エルサレムでは今月2日、パレスチナ人の少年が誘拐、殺害される事件があったばかり。被害者は米国人少年のいとこだった。少年は3日、このいとこの家の前で、イスラエル治安部隊の制服を着た集団から殴るけるなどの暴行を受けた後、連れ去られたとみられる。

近隣の住民が暴行現場を撮影し、親族やテレビ局にビデオを提供した。もう1本、別の方向から撮影されたビデオもインターネット上で公開されたが、どちらにも暴行が始まった経緯は映っていない。

少年は病院に収容されたが、依然としてイスラエル当局の拘束下にある。父親によると、6日にエルサレムの裁判所に出廷する予定だという。

少年の母親はCNNに「ビデオは恐ろしくて見られない」と話した。親族らは、少年のはれた顔を写真に写して公開した。

イスラエル軍は5日、「関与したのは軍ではなく、警察要員のようだ」との声明を出した。同国のリブニ司法相は「非常に深刻な問題」との認識を示し、司法省は「法律顧問が経緯を調べる」と述べた。

一方パレスチナの検察によると、少年のいとこは検視の結果、生きたまま体に火をつけられ、さらに頭部を鈍器で殴られたことが分かった。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で先月、イスラエル人の少年3人が殺害された事件への報復だった可能性が指摘されている。4日の葬儀では、犯行に抗議するパレスチナ人住民らがイスラエル治安部隊と衝突し、医療関係者によると60人以上が負傷した。

エルサレム訪問の少年、治安要員に殴られ拘束か

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