ドイツで初の最低賃金法案を可決、時給で約1200円

ドイツ連邦議会(下院)は最低賃金法案を可決

2014.07.05 Sat posted at 16:26 JST

ロンドン(CNNMoney) ドイツ連邦議会(下院)は5日までに、同国では初めての全国統一となる最低賃金法案を可決した。来年1月1日から実施予定で、最低の時給は少なくとも8.50ユーロとなる。現在の為替相場では約1182円相当。

ドイツの賃金水準はこれまで、雇用側と労組間の交渉で大半決められていた。今回の法案の成立には上院の承認も必要。通過した場合、法定上の最低賃金を導入する欧州連合(EU)加盟国としては22カ国目となる。

8.50ユーロの額は、同国の賃金水準の中間値の約51%分に相当。欧州他国の最低賃金水準と比べた場合、スペインや英国よりは多く、フランスやベルギーよりは少ない。

ドイツ政府は、最低賃金制の初導入で直接的な恩恵を被る労働者は約370万人で、うち3分の2程度は女性と見込んでいる。

最低賃金法を導入したのはEU加盟国で22カ国目

欧州最大の経済大国である同国は好調な景況を維持しており、最低賃金制の導入による悪影響は短期的に見た場合、ほとんどないとの見方がある。雇用者側は数カ月間にわたる公聴会の開催など、最低賃金制の導入への準備期間も与えられていた。

ただ、経済界のロビー団体などは、雇用や年金に絡む法制度の変更案が実現された場合も含め、10年前に打ち出された経済改革の成果が台無しになる可能性があると指摘。ドイツ産業連盟の首脳は先月、同国社会制度での採算性を一定に確保するため最低賃金法案には例外規定も一部設けられるべきだと主張していた。

米国政府が設定する最低賃金は現在、7.25ドル。オバマ大統領はこれを10.10ドルに引き上げる案を支持している。ただ、一部の州や都市では7.25ドルを上回る金額を既に実現させている。

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