NASAの有人宇宙船、12月に初の飛行実験

スペースシャトル後継機の開発が進む

2014.06.27 Fri posted at 10:22 JST

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は、スペースシャトルの後継となる有人宇宙船「オリオン」の初の飛行実験を12月に実施する。2011年にスペースシャトル計画が終了して以来、3年ぶりに有人飛行再開の準備に乗り出す。将来的には火星に人類を送り込むことを目指している。

12月の打ち上げは将来の有人飛行に備えたシステム実験が目的で、宇宙飛行士は搭乗しない。フロリダ州ケープカナベラルからロケットを使って高度3600マイル(約5800キロ)まで打ち上げる予定で、これは国際宇宙ステーション(ISS)の平均高度の約16倍に相当する。

オリオンは4時間半かけて地球の周りを2周し、時速約3万2000キロの速度で大気圏に再突入して太平洋に着水する計画。

現在はフロリダ州のケネディ宇宙センターで開発が進んでおり、6月には乗員用のモジュールが搭載された。

2017年に有人飛行を計画=NASA提供

完成時は円形の基部から背の高い尖塔が突き出した形状になり、上部に搭載された打ち上げ中断システムは、ロケットに不具合が起きた場合でも乗員が墜落に巻き込まれるのを防ぐ仕組みになっている。

下部のサービスモジュールには宇宙空間での推進装置や積み荷の収納庫を搭載。この中間部分に乗員用のモジュールが入る。

断熱材の装備は過去最大で、核原子炉が溶融するような温度にも耐えられるという。コンピュータの処理性能はスペースシャトルに比べて400倍に高速化。打ち上げに使うロケットも性能を大幅に高めた。

オリオンを使った初の有人飛行は2017年に予定され、まずは月を目指す計画だ。

NASAの有人宇宙船、飛行実験へ

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