(CNN) 外国人観光客に対して不愛想という評判が定着しているフランスで、政府や自治体が観光客への接し方を改善する必要があると訴えている。
同国イノベーション相のペルラン氏はこのほど開かれた観光会議で、「我々は接客の意味を再発見しなければならない」「もてなしやサービスの質に関して我々はもっとうまくやれるはず」と演説した。観光業がもたらす年間160億ドル(約1.6兆円)の経済効果はフランスにとってぜひとも必要だと同氏は強調している。
パリを訪れてウェイターやホテル従業員に無愛想な態度を取られた経験を持つ人は多く、フランスがこうした態度について多少でも反省する姿勢を示したのは今回が初めてではない。
パリ観光局は昨年、サービス業界の従業員に対し、外国人観光客への接し方について助言するマニュアルを配った。
それでも問題は改善しなかった様子で、中国人観光客を狙ったすりが相次いだり、航空管制官が6日間のスト実施を予告したりするなど、フランスのイメージ回復の助けにはなっていない。
ファビウス外相はテレビ局の取材に対し、観光客にとっての魅力を高めるための新たな方策として、商店などの日曜日の営業を規制する法律の緩和や、道路や鉄道網の改善、外国語学習の奨励などを検討すると述べ、観光客は「フランス人であろうと外国人であろうと歓迎しなければならない」と力を込めた。
一方、フランス人評論家のアグネス・ポワリエ氏は、「フランス人は以前に比べれば観光客に対して礼儀正しくなった」とみる。「多額を費やしてくれる観光客は国の繁栄のために欠かせない存在であり、丁寧な応対をしなければならないということは、パリの人たちも分かっている」という。