イラクのクルド人指導者、「独立のチャンス」を主張

バルザニ議長

2014.06.24 Tue posted at 10:42 JST

(CNN) イラク北部のクルド自治政府を率いるバルザニ議長は23日、CNNのクリスティアン・アマンプールとの独占インタビューで「イラクは明らかに崩壊しつつある」と述べ、クルド人独立のチャンスが到来したとの見方を示した。

バルザニ氏は、イスラム教スンニ派武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が北部から侵攻を続け、シーア派主導のマリキ政権を脅かしている現状について「中央政府はすべてにおいて統制力を失い、軍も警察も崩壊しようとしている」と主張。「崩壊の原因を作ったのはわれわれではない」「クルド人が自分たちで将来を決める時が来た」と語った。

イラクの少数民族クルド人は長年にわたって独立の夢を掲げ、20年以上前に自治権を獲得していたが、これまで独立国家建設に向けた闘争を宣言したことはなかった。

しかしバルザニ氏はインタビューで、「われわれが今住んでいるのは10日前、2週間前とは全く違う、新たなイラクだ」と述べ、「クルド人はこのチャンスをつかむべき」と強調。24日に予定されるケリー米国務長官との会談では、米国にクルド人独立への理解を求める構えを示した。

イラクの現状はマリキ首相の責任かとの質問には、「その通り。同首相が軍の最高司令官として権力を独占した結果、このような事態を招いたのだ」と答えた。

バルザニ氏はさらに、北部モスルがISISに制圧される数カ月前から、マリキ首相にはISISの脅威を警告していたと述べた。しかし首相は取り合わず、クルド人民兵組織による支援の申し出も拒否したという。

米国がイラクに最大300人の軍事顧問を派遣すると表明したことについては、「派遣によって力のバランスが変わるとは思えない」と語り、「この問題は軍事的な手段では解決できない、政治的な問題。まず政治力で対応すべきだ」と主張した。

クルド人指導者インタビュー

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