(CNN) 作家ハーマン・メルビルの小説「白鯨」に出てくるような真っ白いクジラが今年もオーストラリア沖に姿を現し、ホエールウオッチングの人々を喜ばせている。
このクジラは研究者から「ミガルー」と名付けられたザトウクジラ。17日に目撃されたのに続き、19日にもシドニー沖を泳いでいるのが確認された。
ザトウクジラは毎年、南極沖から同国北東部沖グレートバリアリーフ付近の繁殖地へと移動するため、ミガルーもそうした移動の最中と見られる。目撃されるのは3年連続だ。
世界各国の白クジラの目撃情報を記録したウェブサイトを運営するオスカー・ピーターソンさんによれば、記録に残っている全身真っ白な成体のザトウクジラはわずかだという。
「だがノルウェーで撮影された100%白いクジラの写真もあり、ミガルーはかつて考えられていたような唯一無二の存在でもない」とピーターソンさんは言う。
ミガルーは19日午後にシドニーの南にあるクロヌラ沖を泳いでいるところを目撃された。まもなくボンダイ・ビーチ周辺からその姿を見ることができるだろうとピーターソンさんは言う。
ミガルーはまだ子どもだった1991年に初めて目撃され、現在の年齢は20代と推定されている。
ただしホエールウォッチングでは常にクジラから500メートル以上の距離を取って欲しいと専門家は呼びかけている。野生のザトウクジラの寿命は90年とも言われ、ミガルーの姿はあと数十年は見られる見通しだという。