ブダペストのおすすめコーヒーハウス10選

2014.06.21 Sat posted at 09:00 JST

(CNN) ハンガリー・ブタペスト市民の生活に欠かせないコーヒー。現地では最近、「リストレット」と「コルタード」の違いが分かるバリスタたちがしのぎを削るコーヒー・バーの新しい波が押し寄せている。

コーヒーはブタペスト市民の生活に常に中心的役割を果たしてきた。共産主義時代、しかめ面のウエートレスが運んでくる小さなカップに入った濃厚で、苦みのあるコーヒーは、1日のスタートに欠かせなかった。今もその重要性は変わっていないが、最近、「手作り」「クラフト」を意味する「kezmuves」という言葉が流行っているという。

この新しいクラフトコーヒー・バーには、有能なスタッフ(能力を証明するための証明書がある)、洗練された店のデザイン、慎重に選ばれた原料という3つの要素がある。

ブダペストでは、クラフトコーヒーは「第3の波」と呼ばれる。これは、適切に調達された豆をより小さなスケールの上で炒ることにより、イタリアのコーヒー豆よりも薄く、苦みの少ない味にすることを意味する。

「このニューウェーブコーヒーは、かんきつ類のような香りのアフリカ産の豆や、チョコレートのような風味のブラジル産の豆のような、コーヒー豆本来の味わいが体験できる」と語るのは、クラフトコーヒー・バー「マダル」のマスター、ピーター・レプカ氏だ。

確かにこのニューウェーブ・コーヒーには興味をそそられるが、ブダペストでは昔ながらのコーヒーハウスと新しいスタイルのコーヒーハウスがしのぎを削っている。

そこで今回は、ニューウェーブ・コーヒーが味わえる5店と、オールドウェーブ(昔ながらの)コーヒーが味わえる5店の計10店を紹介する。

マダル

◇ニューウェーブ・コーヒー

マダル

店名は、インドの哲学者シュリ・チンモイの幼少期の名前「マダル(Madal)」にちなんで付けられた。店では、冷静沈着なチンモイに触発されたフレンドリーなバリスタたちが、店にあるさまざまな豆やローストコーヒーについて説明し、美しく注いだコーヒーを提供する。また、この店で焼いたクロワッサンも味わえる。

エスプレッソ・エンバシー

ここはブダペストで最も広く、最もおしゃれなクラフトコーヒー・バーの1つで、受賞歴のあるバリスタたちが迎えてくれる。れんが造りのアーチ形天井のある店の内装は、ブダペスト市内を走る新しい地下鉄の2つの駅を設計した会社が手掛けた。また同店も、クロワッサン、チーズケーキ、ブラウニーなどの絶品ケーキが味わえる。

マイ・リトル・メルボルン

クラフトコーヒー・バーの草分け的存在である同店は、町の中心部にあり、小規模ながら朝食時には多くの客でにぎわう。店の名前は、オーストラリアに何度も旅行している2人のオーナーが付けた。

フェケテ

この店はマイ・リトル・メルボルンよりさらに小規模だが、コーヒー愛好家たちに一目置かれる存在だ。店の前の通りには2、3のテーブルがあるだけだが、コーヒーにちなんでハンガリー語で「黒」を意味するフェケテと名付けられたこの店は、ひたすらコーヒーにこだわる。

タンプ・アンド・プル

ここも比較的小さな店だが、町の中心に位置し、中央市場ホールからも近い。店名は、タンプ(コーヒー豆を抽出器に入れる)とプル(コーヒーをカップに注ぐ)というバリスタが行う2つの動きにちなんで付けられた。店の壁の掲示板には、その日おすすめのコーヒー豆の産地、生産者、栽培地の標高といった詳細な情報が書かれている。

◇オールドウエーブ・コーヒー

カフェ・アリバイ

ブダペストの中心にある静かでおしゃれな店カフェ・アリバイを訪れるなら、朝食時が最適だ。普段は、絶品のコーヒーや絞りたてのオレンジジュースの味を楽しむ地元の学生たちでにぎわっていることが多い。この店は独自のコーヒー豆焙煎機を備え、客は豆やコーヒーの種類を選択できる。

ツィルクス

ツィルクスは、ブダペストのにぎやかな第7区の中心に位置する広いカフェ・レストランで、複数のバリスタたちが独自の豆を炒っている。この店はコーヒー、食事ともに絶品で、ここで紹介した小さなコーヒー・バーをすべて訪れた後に是非この店も訪れてほしい。

コーヒー・キャット

ここにはクラフトコーヒーはないが、朝食時ににぎわうこの店のバリスタたちは、おいしいコーヒーの入れ方を心得ている。また、カポナータ、ローストしたカボチャ、チキンサラダなどをバゲットに挟んだサンドイッチも販売している。

ゾクニ

この店は、ブダペストで人気の観光スポットの1つ、大シナゴーグ(ドハーニ街シナゴーグ)から1本道を隔てた場所にある。「靴下」を意味する「ゾックニ(Zockni)」から取った店名は、オーナーがタクシーの運転手をしていた頃のあだ名だという。しかし何よりも、この店のバリスタたちが作るコーヒーは絶品だ。またおいしいケーキも揃っている。

バンビ

この店は、新しいタイプのコーヒーを出すわけでもなく、おしゃれなバリスタがいるわけでもない。この店のどこか懐かしい雰囲気は、決してデザインスタジオで作られたものではない。この店は、昔ながらの姿を今も維持し続ける、過去の「偉大な生き残り」の1つといえる。赤いプラスチック製のいすに座り、昔風のカップに注がれた濃いブラックコーヒーを飲みながら、トランプゲームに興じる老人たちを眺めるのもいい。

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