祝賀ムードの広場で女性暴行が続発、7人逮捕 エジプト

タハリール広場で女性への暴力事件が相次いだ=YOUTUBEから

2014.06.10 Tue posted at 12:54 JST

(CNN) エジプトのシーシ新大統領が就任した8日、祝賀ムードに沸く首都カイロ中心部のタハリール広場で女性への集団暴行が相次いだ。警察は9日、7人の男を性的嫌がらせの容疑で逮捕した。

同国で女性に対する性暴力を監視している活動団体は、携帯電話のカメラで現場を撮影したとされる約2分間のビデオを公開した。群衆に囲まれ、着衣を脱がされて血だらけになった女性を、警官らが救助する場面だ。女性は警察の車両に向かう途中で地面に倒れ込み、警官に運ばれていった。

同団体によると、タハリール広場ではこの日、同様の暴行が5件発生し、被害者の女性5人のうち4人は病院での治療を必要とするけがを負った。内務省によると、救助に当たった警官数人も群衆からの暴力で負傷した。

女性2人が警察に届けを出し、この情報を基に容疑者7人が逮捕された。1件の暴行をとらえたビデオがインターネットの動画共有サイト「ユーチューブ」に掲載され、捜査にも活用されているという。

相次ぐ暴行についてのニュースを広場から実況中継していた地元民間テレビ局のキャスターが、現場周辺の群衆を「喜んでいるようですね」と表現して非難を浴び、9日に「誤解を招いた」と謝罪した。

エジプトのシーシ大統領

シーシ大統領は、昨年7月にムルシ元大統領を追放したクーデターを、軍トップとして主導した人物だ。活動家らは、軍主導の体制下で女性への暴力という問題が軽視されていると主張する。

これに対して政府系の女性団体は、タハリール広場での暴行は新政権を傷つけるために仕組まれたとの見方を示し、当局に「首謀者」の検挙を求めている。

国連が女性差別撤廃に向けて昨年まとめた報告書によると、エジプトの女性のうち99.3%はなんらかの形で性的嫌がらせを受けた経験があり、82%余りが路上で危険を感じている。

同国では、性的嫌がらせ行為を処罰の対象とする初の法律が、先週成立したばかり。違反者には最大で禁錮5年と最高5万エジプトポンド(約71万6000円)の罰金を科すことになった。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。