(CNN) アフガニスタンで武装勢力に拘束された米軍兵士が31日、ほぼ5年ぶりに解放された。米国はこれと引き換えに、キューバのグアンタナモ米軍基地にテロ容疑者として収容していた5人の移送に応じた。
米アイダホ州出身のボウ・バーグダル軍曹(28)は2009年5月にアフガンへ派遣され、同年6月末に反政府武装勢力タリバーン系の集団に拘束された。イラクとアフガンでの軍事行動で武装勢力に拘束された米軍兵士のうち、最後に残る1人となっていた。解放交渉はカタール政府の仲介で成立した。
米国防総省高官がCNNに語ったところによると、同軍曹は31日、アフガン東部のパキスタン国境近くでタリバーンから米軍特殊部隊に引き渡された。武装したタリバーンのメンバー18人がその場に立ち会ったという。
バーグダル軍曹は米軍のヘリコプターに乗せられ、機内の騒音が大きかったため筆談で「SF(特殊部隊)か」と質問した。乗員が「そうだ。われわれはあなたを長い間捜していた」と答えると、軍曹は泣き崩れたという。
ヘリはアフガンのバグラム空軍基地に到着した。同軍曹はここで健康診断を受けた後、さらにドイツの医療機関へ運ばれる見通しだ。
米ホワイトハウスとヘーゲル国防長官は解放を歓迎する声明を出した。ホワイトハウスを訪れていた同軍曹の両親はCNNに、「オバマ米大統領からの電話で息子が帰国すると聞いて、大きな喜びと安どを感じています。息子を早く抱き締めたい。皆さんの支援に感謝します」と語った。
国防省高官らによると、グアンタナモではすでに収容者5人の身柄がカタール当局者に引き渡された。5人はカタールへ移送された後、外国への渡航を1年間禁止される。
アフガンで拘束の米兵、5年ぶり解放