家族に殺害された女性の夫、前妻の殺害を告白 パキスタン

2014.05.30 Fri posted at 11:53 JST

パキスタン・イスラマバード(CNN) パキスタンで自分の選んだ男性と結婚した女性が家族の名誉を汚したとして殺害された事件で、この男性が29日、CNNの取材に対し、女性と結婚するために前妻を殺害した過去を打ち明けた。

この事件では、ファルザナ・パルビーンさんが家族の選んだ相手との結婚を拒み、別の男性のモハマド・イクバルさんと結婚して妊娠。ファルザナさんの父親や兄弟は家族の名誉を汚されたとして東部ラホールで27日にファルザナさんを襲い、レンガを投げつけて殺害した。

一方、イクバルさんは、「ファルザナにプロポーズしたかったので、妻を殺した」と話している。

パンジャブ州の警察によると、イクバルさんの前妻が死亡したのは6年前。息子からの通報でイクバルさんは逮捕されたが、息子が許したことから後に保釈されたという。

息子も父親がCNNに語った内容が事実であることを確認し、父親は1年間服役したと語った。

イクバルさんの話では、ファルザナさんとは家族の許可を得て昨年結婚するはずだった。結納金としてファルザナさんの父親に8万ルピー(約14万円)を渡し、金の宝石を贈ったとしている。

しかし昨年12月にファルザナさんの母親が死亡したことで父と兄弟の気が変わり、ファルザナさんをいとこの男性と結婚させようとした。

そこでファルザナさんとイクバルさんは駆け落ちし、今年1月7日に裁判所で結婚式を挙げた。

これに憤慨したファルザナさんの家族がイクバルさんに対し、命が惜しければ10万ルピー(約17万円)を払えと要求。さらにファルザナさんがイクバルさんに拉致されたと主張して、裁判所に訴えを起こした。

ファルザナさんはこの裁判で、自らの意思でイクバルさんと結婚したと証言するはずだった。しかし27日に弁護士事務所からラホールの裁判所に向かう途中で殺害された。

弁護士によれば、同日午前7時45分ごろ、裁判所前でファルザナさんの家族が待ち伏せていて、突然ファルザナさんに襲いかかり、レンガで何度も殴って殺害した。

イクバルさんは止めようとしたが抑えられて動けなかったと話している。その場にいた人は誰も助けようとせず、ただ周りに集まって見物していたという。

人権団体によれば、パキスタンの法律にはイスラム教の教えに基づき、被害者の家族は加害者を許すことができると定めた規定がある。

また、弁護士の話では、被害者と加害者の間の金銭取引によって、加害者が禁錮刑を免れることもある。

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