アフガン駐留米軍 1万人弱に規模縮小、16年全面撤退へ

アフガン駐留米軍のスケジュールについて説明するオバマ大統領=27日、ワシントン

2014.05.28 Wed posted at 09:55 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は27日、アフガニスタンに来年以降約9800人の米軍部隊を駐留させ、2016年末には全面撤退するとの方針を発表した。

オバマ大統領はホワイトハウスでの演説で、「米史上最長の戦争を責任ある形で終わらせる」と表明した。アフガンでの軍事行動は2001年9月の米同時多発テロ直後に始まり、12年以上続いている。

アフガンには現在3万2000人規模の米軍部隊が駐留しているが、今年末には戦闘任務を終える。その後は駐留米兵の法的地位を定める安全保障協定の締結を条件に、9800人を残留させる。

残留部隊は北大西洋条約機構(NATO)軍の一部とともに国際テロ組織アルカイダの脅威に対応し、アフガン治安部隊を支援するなどの任務を担う。

さらにこの部隊を15年末までに半減させ、オバマ大統領の任期切れを間近に控えた16年末までには、「通常の」大使館警護要員とされる1000人前後を残して全面的に撤退するという。

アフガニスタンでパトロールを行う米海兵隊。16年末までに駐留米軍は撤退するという

アフガンのカルザイ大統領は協定への署名を拒否してきたが、来月予定されるカルザイ氏の後任を決める大統領選決選投票の候補者は、いずれも署名の意向を示している。

ブリンケン米大統領次席補佐官(国家安全保障問題担当)はCNNとのインタビューで、来年以降の残留には約200億ドル(約2兆円)の予算がかかるとの見通しを示した。

オバマ大統領は、「アフガンが完璧になるわけではないことは認識しなければならないが、完璧な国にすることは米国の責任ではない」と述べた。また、イラクやアフガニスタンでの軍事行動を終わらせることで生じる余力を、アフリカなど各地でのテロ対策に回すことができると強調した。

米軍はこれまで、多い時で10万人規模の部隊をアフガンに駐留させてきた。この間に2300人以上の米兵が死亡している。

アフガン駐留米軍、16年末撤退へ

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