米加州銃乱射 犠牲者の父が銃規制を主張、容疑者の手記発見

花などが犠牲者にささげられた

2014.05.26 Mon posted at 16:58 JST

(CNN) 米カリフォルニア州南部アイラビスタでの銃乱射事件で死亡した男子学生の父親が24日午後、悲しみに声を詰まらせながら記者会見し、銃規制の必要性を訴えた。一方、CNN系列局が入手した容疑者の手記には、犯行に至るまでの経緯が詳細に記されていた。

警察の発表によると、エリオット・ロジャー容疑者(22)は23日夜、自宅アパートでルームメートの学生ら3人を刺殺した後、女子寮の前にいた22歳と19歳の女子学生、惣菜店にいた20歳の男子学生の計3人を銃で撃って殺害。黒いBMWに乗って市内の道路を走行しながら銃撃や衝突を繰り返し、駐車中の車に突っ込んで停止した後、銃で自殺したとみられる。

この間に撃たれたり車にひかれたりして13人が負傷した。24日夜の時点で5人が入院中、このうち2人は重篤な容体とされる。

惣菜店で射殺されたクリストファー・マーティネスさんの父、リチャードさんは記者会見で「子を持つすべての親に伝えたいことがある。わが子にこんなことが起きるとは、実際に起きるまで思わないものだ」と語った。

リチャードさんは「息子はなぜ死んだのか。意気地のない無責任な政治家と、全米ライフル協会(NRA)のせいだ」と主張。悲嘆と怒りをにじませ、「この狂気はいつになったら止まるのか」「もう1人たりとも死なせてはいけない」と訴え掛けた。

銃撃によって割られたガラス

ロジャー容疑者は、この日の犯行を何か月も前から計画していたとされる。インターネットの動画共有サイト「ユーチューブ」に先月、犯行予告とみられるビデオを投稿し、これを見た家族からの通報で、警官が同容疑者のアパートを訪問していた。

同容疑者は当時、落ち着いた様子で「誤解だ」「人付き合いで悩んでいる」と説明し、警官は身柄拘束の必要なしと判断したという。

容疑者は書き残した手記の中で、この時「一瞬、すべてが終わったかと思った」と振り返っている。問題のビデオをいったん取り下げ、犯行当日に「最後の1本」と称するビデオを投稿していた。

「私のねじれた世界」と題した137ページの手記には、身長が低いことや両親が離婚したこと、女性とうまく付き合えないことを嘆く言葉が並ぶ。自ら「報復の日」を決め、手に入れることのできない対象をすべて「全力で破壊する」と書いていた。

ロジャー容疑者が死亡した後、車内から見つかったけん銃3丁は、過去1年の間に別々の都市で合法的に購入されていた。車内には未使用の弾丸も400発以上残っていた。

地元捜査当局は、「容疑者が精神的な問題を抱えていたことは明らか」と話す。一方、捜査の状況に詳しい当局者がCNNに語ったところによると、銃を買う際の身元調査で問題が指摘された形跡はないという。

犠牲者の父親が銃規制を訴え

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