米・メキシコ国境 子どもの単独密航が激増、5~6歳児も

米アリゾナ州とメキシコの国境

2014.05.25 Sun posted at 16:51 JST

(CNN) 米国土安全保障省は25日までに、南部テキサス州などでメキシコから米国へ単独での違法越境を図る「子ども」が最近激増、臨時の保護施設の建設を強いられるなどの緊急事態に直面していることを明らかにした。

密航を試み、拘束された子どもは過去2週間で1000人以上で、国土安全保障省は「危機的な局面」とも受け止めている。

同省の報道官によると、これら子どもの出身国はグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルなど中米諸国が多数。テキサス州南部マッカレン近くの国境線で大多数が拘束された。

米国境警備隊員らの労組幹部は、メキシコから米国への密航を単独で試みる未成年者の総数は今年通年で6万人以上と予想。これまでなかった高い数字であり、17歳から5~6歳の児童もいたと証言した。国境警備における人員不足もあり、子どもの密航者数はより多い可能性があるとも見ている。

国境警備隊が昨年摘発した密航者のうち未成年者の割合は約1割。国土安全保障省のジョンソン長官は子どもの単独密航が増える事態を深刻にとらえ、テキサス州南部へ要員を追加派遣し、医療面や保護手続きなどでの側面支援作業に当たらせている。

米アリゾナ州とメキシコの国境

テキサス州サンアントニオ市にあるラックランド空軍基地には最近、これら密航者用の緊急保護施設が新たに開設された。

米連邦法の規定により、違法越境した子どもがカナダもしくはメキシコの住民でない場合母国へ送還することは禁止されている。国土安全保障省が身柄を確保した後の72時間内に米厚生省へ引き渡すことが定められている。

この場合、米国内にいる親族へ身柄を委ねられる事例が大半だが、それまで子どもらを収容する施設がなく、誓約書に署名させ裁判所への出廷期日を知らせた上で釈放するのが通常となっている。ただ、成人や子どもらが出廷する比率は3~5%だという。

子どもによる単独の密航が急増した背景については、母国の経済悪化や親族に子どもを預けて国を離れた両親との再会を切望するなどの事情が指摘されている。密航業者の介在も指摘されている。

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