中ロが拒否権発動、シリア戦争犯罪のICC付託で 安保理

国連安保理でロシアと中国が拒否権を発動

2014.05.23 Fri posted at 11:41 JST

(CNN) 国連安全保障理事会は22日、シリア内戦における戦争犯罪の捜査を国際刑事裁判所(ICC)に付託する決議案の採決を行った。常任理事国であるロシアと中国の拒否権行使により決議案は否決された。

安保理理事国15カ国のうち、残る13カ国は決議案に賛成した。

採択後、パワー米国連大使は「今日の拒否権の行使によって、残虐行為の被害者たちが当面、(ICCのある)ハーグで証言する道は断たれた」とロシアと中国を批判した。

一方、ロシアのチュルキン国連大使はICCへの付託は時期尚早であり、決議案は「ICCを利用して政治的対立をさらにあおり、外国による軍事介入に道を開くものだ」と反対理由を述べた。

シリアが保持する化学兵器の検証、廃棄に当たっている化学兵器禁止機関(OPCW)のウムズジュ事務局長は22日、残る化学兵器を早急に搬出できるようにすべきだと語るとともに、これまでにシリア国内で化学兵器が使われたとされる事例の捜査準備も進めていると述べた。

シリアでの化学兵器使用の調査を行う様子 (c)OPCW.ORG

ウズムジュ事務局長は「シリアにおける塩素ガスの使用疑惑はOPCWと国際社会にとって重大な関心事だ」と述べた。

フランスのファビウス外相は、アサド政権がここ数カ月の間に化学兵器の塩素ガスを約14回、使用したことを示す証拠があると指摘している。

一方、シリアのメクダド副外相は先週、CNNの取材に対し政府側が塩素ガスを使ったことはないと主張している。

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