世界の成人4人に1人が反ユダヤ主義 国際調査

ホロコーストについて聞いたことがあったのは約半数だった

2014.05.15 Thu posted at 19:42 JST

(CNN) 反ユダヤ主義への反対運動を進めている米団体は15日までに、全世界の成人4人に1人が反ユダヤ主義に強く染まっていることが判明したとの国際調査結果を公表した。

ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を聞いたことがあるのは約半数で、ユダヤ人の歴史的事実が正しいと判断しているのは3分の1だったなどと報告した。

調査は「名誉毀損防止連盟」(ADL)が世論調査機関に依頼して実施した。世界の成人を対象にした反ユダヤ主義に関するこの種の調査は初めてとしている。調査の対象国は世界の成人人口の88%を抱える計102カ国の成人5万3100人だった。

ADL幹部は声明で、反ユダヤ主義が今日、世界中でいかに根強くまん延しているかの実情を初めて思い知ったと述べた。

調査は各国の地元言語を使用して実施され、質問項目にはユダヤ人は国際市場、国際メディアや米国政府に強い影響力を及ぼしているとの通念の真偽を問うものなどが含まれた。また、ユダヤ人は世界で発生した戦争の大部分に責任があるのかとも質した。

その上で、ユダヤ人に関する否定的な固定観念の11項目のうち少なくとも6項目を信用する調査対象者の数を計算した。この結果、中東と北アフリカ諸国では74%が信じると応じた。

ユダヤ人はそれぞれの居住国よりイスラエルに忠実との見方が最も多かったという

東欧では3人に1人、西欧とアフリカ大陸のサハラ砂漠以南の諸国では4人に約1人がこの固定観念の大部分を正しいと受け止めていた。

世界全体では26%が少なくとも固定観念の6項目を信じていた。人数にして推定11億人に達した。真実との解釈が最も多かったのは、ユダヤ人はそれぞれの居住国よりイスラエルに忠実との見方だった。

反ユダヤ主義に染まっていない成人の比率が低いのはラオスの0.2%などで、フィリピン、スウェーデンやオランダなども最低水準に含まれた。逆に最高だったのはパレスチナ自治共和国の93%。イラクの92%が続き、イエメン、アルジェリア、リビアやチュニジアなどが続いた。

地域別に見た場合には、アジアでホロコーストを聞いたことがあり、歴史的事実が正しいとしたのは4分の1以下。この比率はサハラ砂漠以南では12%に減少し、中東や北アフリカ諸国では8%だった。

世論調査結果によると、調査対象者の4分の3はこれまでユダヤ人に会ったことがないと答えていた。この比率には、否定的な固定観念の大多数は多分正しいとした回答者の大半が入っていた。

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