トルコ・ソマ(CNN) トルコ西部マニサ県ソマの炭鉱で起きた爆発事故で、国家災害対策当局は14日夜までに274人の死亡を確認した。まだ多数が坑内に取り残されており、犠牲者はさらに増える恐れもある。
爆発は13日に発生し、坑内で火災が燃え広がった。これまでに少なくとも88人が救出されたが、エルドアン首相は14日の時点で、まだ120人あまりが坑内に閉じ込められていると話していた。犠牲者の死因は検視の結果、一酸化炭素中毒と判明した。
警察や救助隊は14日夜になっても活動を続け、上空をヘリコプターが旋回するなど現場は慌ただしい雰囲気に包まれている。地面の穴からは煙が噴き出しており、救助隊員によれば坑内は高温で煙が立ち込め、一酸化炭素が充満しているという。
それでも関係者は、ガスマスクなどの設備がある避難区画に逃げ込んだ作業員がいるかもしれないとの希望を捨てていない。
当局は坑内に空気を送り込む作業を続けているが、酸素によって火災が燃え広がる危険があると指摘する専門家もいる。
今回の犠牲者数は1990年に260人が死亡した炭鉱事故を上回り、トルコ史上最悪となった。
同国の炭鉱ではこれまでにも死亡事故が相次いでおり、マニサ県選出の野党議員は4月に国内の炭鉱の調査を提案していたという。しかし提案は政府の反対で却下されたと同議員は話している。
一方、政府によれば、事故を起こした炭鉱は定期的に検査を受けており、3月の検査でも違反は見つからなかったとしている。
エルドアン首相はアルバニア訪問の予定を中止して現地を視察したが、住民から「辞任しろ」と罵声を浴びせられる場面もあった。
炭鉱事故、現地からリポート