(CNN) 米南部テキサス州の裁判官が、強姦(ごうかん)被害者の少女が異性との関係で「ふしだらな面」を持つなどと示唆し被告に禁錮45日間などの判決を下し、検察やレイプ被害者の救済センターの反発を受ける騒ぎとなっている。
5年の保護観察処分の他、同救済センターでの250時間の社会奉仕活動を命じたことも物議を醸す材料になっている。裁判官はまた、観察処分の適用期間中、被告を強姦事件が起きた10月4日に毎年、24時間収監することも命じた。
これに対しレイプ被害者の救済センターの幹部はCNNの取材に、施設は被害者を助けるためのものであり、レイプ犯を受け入れるのは創立の趣旨に相反すると反論。裁判官は施設の仕事を理解していないのではないかと主張している。
被害者の少女は地元テレビ局に判決内容に打ちのめされているとし、信頼していた裁判官に裏切られたと語った。
暴行事件は2011年、高校内で発生したもので、現在20歳の男性被告が当時14歳の女生徒を校内で襲っていた。子どもへの性的暴行で有罪となった被告はレイプを認めており、禁錮20年の判決も予想されていた。
女性のジェニーン・ハワード裁判官は地元紙ダラス・モーニング・ニューズに対し、判決理由について医学的な記録を一部根拠にしながら、少女は自ら主張するような被害者に当たらないと指摘。性交渉の相手が3人おり、出産の過去もあると付け加えていた。
被告については、典型的な性犯罪者でないとの見方を示した。
今回の判決内容について、同州ダラス郡担当の検察当局者は、レイプの犠牲者が被害を届け出ることを妨げる結果になりかねないとの懸念を表明した。
一方、被告の弁護士はCNNの取材に対し判決内容を事件の状況を踏まえるなら、公正で適切と評価。被害者は性交渉を持つことに合意していたとも述べた。ただ、被告が行為の中止を求める被害者を無視したことは認め、被告はこの過ちを警察に認めていたとも語った。
既に収監されている被告は刑期を終えた後、性犯罪者として登録される予定。
ただ、検察側は被告の保護観察処分期間中における行動面の制約をより厳しくすることを申し立てており、新たな裁判官が審理に当たる。
レイプ被害者は「ふしだら」、被告に寛大量刑 米判決で論議