(CNN) 誕生直後に離れ離れになり、別々の人生を歩んできた双子の姉妹が、78年ぶりに感激の再会を果たした。海を隔てて米国と英国に住む2人だが、CNNとのインタビューでは姉妹らしい仲の良さを垣間見ることができた。
アン・ハントさんとエリザベス・ヘイムさんは1936年、英南部アルダーショットで二卵性双生児として生まれた。母親のアリス・ラムさんは住み込みの料理人として働いていた。英BBCテレビによると、父親は英軍の軍人だったが、娘たちの顔を見ることはなかったという。
アリスさんには2人の娘を育てる経済力がなかったため、背骨の曲がった状態で生まれたエリザベスさんだけを手元に残し、アンさんを手放すという苦渋の決断を下した。
エリザベスさんは幼い頃に姉妹がいると聞かされたが、見つけることはできないだろうとあきらめていた。アンさんは何も知らずに育ったという。
アンさんの娘が家族の系譜をたどるうちに、母親には双子の姉妹がいたことを知り、米オレゴン州に暮らすエリザベスさんを捜し当てた。エリザベスさんに「アルダーショット出身ではありませんか」と手紙を送ると折り返し電話がかかってきて、姉妹の対話が実現したという。
それから連絡を取り合って約1年。2人の再会は今月初め、米カリフォルニア州で実現した。
アンさんはCNNとのインタビューで、「言葉が見つからないほどうれしかった。夢のようです。今でも自分をつねって確かめてしまうくらい」と話した。
2人の顔はそれほど似ていない。アンさんによれば「私の方がおしゃべりで、エリザベスは思慮深いタイプ」と、性格も違う。それでも親しげに言い争ったり、1人が言いかけた言葉をもう1人が受け継いだりする様子は姉妹そのものだ。
「手の使い方が似ている」とアンさんが言い、「足の形が同じ」とエリザベスさんが指摘する。2人が同じファーストネームの男性と結婚していたことも判明した。
米カリフォルニア州立大学フラートン校で双子の心理などを研究するナンシー・シーガル教授はエリザベスさんの息子から連絡を受けて、再会に立ち会った。2人が育った環境の違いなどについて詳しく話を聞いているという。
双子が78年ぶりに再会