韓国船沈没、死者6人に 「動くな」の指示で逃げ遅れも

韓国の南西部沖で客船が沈没し、6人が死亡した=YTN提供

2014.04.17 Thu posted at 09:36 JST

(CNN) 韓国の南西部沖で起きた客船沈没事故は、発生から一夜明けた17日午前、韓国沿岸警備隊などによる捜索が再開された。CNN系列局のYTNは韓国当局の話として、この事故で6人が死亡したと報道。一方、聯合ニュースは同日朝の時点で死者4人と伝えている。

これまでに救助された人数は164人との情報も、179人との情報もある。約300人の安否が依然として確認できていない。

現場には軍や警察も出動し、潜水活動などを行って捜索を続けているが、水温の低さや強い潮流、透明度の低さに阻まれて捜索は難航している。

付近を定期パトロール中だった米海軍艦も現場に向かい、捜索活動を応援するためヘリコプターを発進させた。韓国政府から要請があれば、潜水活動にも協力するという。

同船は16日午前9時ごろ、リゾート地の済州島に向かう途中で沈没した。救助された乗客の証言によると、大きな衝突音が聞こえて船が傾き始め、乗客が転んだりぶつかったりしてあちこちで悲鳴が上がった。

米海軍もヘリを出すなど捜索活動に協力している=米海軍提供

拡声器からは「動かないで下さい。動くと危険です。動かないで!」という指示が流れたという。助かった乗客の1人は、この放送のせいで命を落とした乗客がいたかもしれないと話し、「子どもたちはその場で待機させられた。動いた人だけが助かった」と話す。

別の乗客は、指示に従って動かずにいたが、「突然顔の部分まで水が来た。危うく命を落とすところだった」と振り返った。

事故原因は分かっていない。聯合ニュースによると、同船は午前9時ごろに救難信号を発し、それから2時間足らずで沈没したという。

行方不明者の家族は事故現場から約20キロの地点に待機しており、沿岸警備隊が一部の家族を船で現場付近に案内している。

同船には高校生も多数乗船しており、沈没する前に息子から母親に届いた携帯メールでは、「何も見えない。真っ暗闇だ」「僕たちはまだ生きてる。どうかこの情報を伝えて」と助けを求めていた。

韓国船沈没、「動くな」の指示か

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