マラソン爆破事件から1年 ボストンで追悼式典

米ボストン・マラソン爆破テロ事件の爆発現場の1つ

2014.04.16 Wed posted at 13:08 JST

(CNN) 米ボストン・マラソン爆破テロ事件から1年が過ぎた15日、同市内で追悼式典が開かれた。バイデン副大統領は演説で犠牲者を追悼するとともに、負傷者や遺族らが示してきた不屈の精神をたたえた。

事件ではマラソン大会のゴール付近で爆弾2発が爆発。8歳の少年を含む3人が死亡、260人以上が負傷し、さらに容疑者を追跡していた警官1人が殺害された。手製爆弾を仕掛けたとされる兄弟のうち兄は逃走中に死亡し、弟のジョハル・ツァルナエフ被告が逮捕、起訴された。

式典では、事件で片脚を失った男性が「この1年間ほど周囲からの愛を感じたことはない」と感謝の言葉を述べた。当時結婚したばかりだった男性の妻も、片脚切断の重傷を負った。

男性に続き、負傷者を代表して10代の少年や、左脚を失いながらもダンスの仕事に復帰した女性が演壇に立った。

バイデン副大統領は演説の冒頭でかれらをたたえ、「これほど美しい言葉は聞いたことがない」と述べた。また、事件後の復興に向けた運動のスローガン「ボストン・ストロング」とともに「アメリカ・イズ・ストロング(米国は強い)」と訴え、「テロリストは恐怖を植え付けることで米国を変えようとしてきたが、米国は断固としてそれをはねつける」と強調。「私たちは困難に立ち向かい、耐え抜き、乗り越える。ゴールラインは私たちのものだ」と語った。

事件で死亡した8歳の男の子の家族が聖職者と面会

ボストン・マラソンは今年も21日に開催される。オバマ大統領は書面での声明で、事件から立ち直ろうとする市民に「畏敬(いけい)の念」を表明し、今年の大会が「ボストン・ストロング」の意味を世界に示すことになると述べた。

1年前のけがを乗り越えて、今年のレースに出場するランナーもいる。ケビン・ホワイトさん(35)は破片で脚に傷を負ったが、「今年は走ってゴールを切る。悪は勝てないことを証明したい」と話す。ホワイトさんの祖父(71)は爆発で片脚を失った。

ポール・ノーデンさんとJ・Pさんの兄弟はともに片脚切断の重傷を負ったが、今年は家族や友人とともにマラソンコースの全行程を徒歩でたどろうと、15日にスタートを切った。2人の母親、リズさんは「息子たちは最高の誇り」と話している。

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