温室効果ガス、「今世紀末にほぼゼロ必要」 IPCC

気候変動が世界各国に及ぼす影響が懸念されている

2014.04.14 Mon posted at 16:20 JST

(CNN) 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は13日に発表した最新の報告書で、世界の温室効果ガス排出量を今世紀末までに「ほぼゼロ」のレベルまで削減する必要があると指摘した。

IPCCは6年ごとに気候変動についての評価報告書を出している。今回は昨年9月の第1作業部会、今年3月の第2作業部会に続き、第3部会の報告書が発表された。

IPCCによると、温室効果ガスの排出をこのまま放置すれば、2100年の世界の平均気温は産業化以前に比べて摂氏3.7~4.8度も上昇し、地球環境に重大な影響を及ぼす恐れがある。最新の報告書は、気温の上昇を摂氏2度以内に抑えるためには温室効果ガスの排出量を2050年までに40~70%削減し、2100年にはゼロ近くまで減らす必要があると警告した。

報告書をまとめたドイツの経済学者、オットマー・エデンホーファー氏はベルリンでの記者会見で、「世界が直面する課題は非常に大きいが、解決の手段はいくつかある。この報告書は課題の内容とともに、わずかな希望を示している」と述べた。

解決手段としては化石燃料から代替エネルギー源への切り替えや、二酸化炭素(CO2)を地中に貯留する技術の改良、各国政府による炭素税の導入などが挙げられる。エデンホーファー氏によれば、こうした対策には「相当の投資」が必要になり、その影響で今後100年間の世界経済の年平均成長率は2%前後から1.94%に下がることが予想される。同氏は「気候変動対策はただではない。しかし代金を支払う価値のあるものだ」と強調した。

米国のケリー国務長官は報告書を受け、「気候変動対策の技術は経済成長のチャンスでもある。世界のエネルギー市場の規模は6兆ドル(約600兆円)に上る」とのコメントを発表した。

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