IMF、ロシアの成長予想を下方修正 日本も引き下げ

ウクライナ情勢などを受け、IMFはロシア経済の見通しを下方修正した

2014.04.09 Wed posted at 12:14 JST

ロンドン(CNNMoney) 国際通貨基金(IMF)は8日、世界経済見通し(WEO)を発表し、ロシアの今年の成長率見通しを、1月の前回予想で示した1.9%から1.3%に下方修正した。日本の予想も0.3ポイント引き下げ1.4%とした。

ロシアの経済成長については、世界銀行やロシア政府がIMFよりさらに悲観的な見通しを発表している。ウクライナ情勢の影響で資本が流出していることや、通貨ルーブルの急落やインフレへの対策として緊急利上げを実施したことが主な要因とされる。ルーブル相場は年初から8%下落、株価指数も10%余り落ち込んでいる。

ロシアのクリミア編入を巡り、欧米諸国はロシアの政府高官らに渡航禁止や資産凍結の制裁を科した。ロシアがウクライナのほかの地域にも介入する動きを示した場合は、さらに厳しい措置を取ると警告している。

IMFは最新のWEOで、ウクライナ情勢による世界経済全体への影響は今のところ出ていないとする一方、「天然ガスや原油、あるいはトウモロコシや小麦の生産、輸送が大きく妨げられる事態になれば、近隣諸国以外にまで影響が及ぶだろう」と警告した。

日本の成長率の見通しも1.4%へ引き下げられた

先進国の中では日本が1.4%と、前回から0.3ポイント下方修正された。

安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」が勢いを失いつつあるとも指摘されるなか、IMFは「インフレ目標と持続的な高成長を達成するためには、アベノミクスの3本目の矢となる構造改革や2015年以降の財政再建を実行することが不可欠」との認識を示した。

世界全体の成長率は3.6%と、1月時点に比べ0.1ポイントの下方修正にとどまった。

ブラジルと南アフリカの成長率は前回から0.5ポイント引き下げ、それぞれ1.8%、2.3%と予想している。

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