カメのために戦い続ける90歳、トルコの生息地で

ウミガメを守るためにビーチ保全を訴える活動が展開された=ジュン・ヘイモフさん提供

2014.04.07 Mon posted at 15:42 JST

(CNN) 「カメが見られなかったら料金はいらない」。船で潟を巡るツアーの船頭はそう請け負った。トルコのダルヤン・デルタ地帯にあるイズトゥズ。1951年の映画「アフリカの女王」の舞台にもなったこの地は、有名なアカウミガメの生息地でもある。

同地には美しいビーチにすむウミガメを見るために、毎年たくさんの観光客が訪れる。このビーチが手つかずのままの姿を保っているのは、1人の女性の努力によるところが大きい。

この女性、ジュン・ヘイモフさんは、かつて英国でバレエダンサーや画家をしていたが、1975年に観光で訪れてこの地に魅せられ、8年後にビーチ沿いの簡素な小屋に移り住んだ。

80年代半ば、大規模なホテル建設の計画が持ち上がると、ヘイモフさんが中心となってウミガメを守るためにビーチ保全を訴える活動を展開。この運動が世界中に支持されて、ホテル建設計画を撤回させることに成功した。トルコ政府はイズトゥズを特別保護区に指定した。

ジュン・ヘイモフさん=本人提供

今は90歳になったヘイモフさんは、猫や犬たちと共にダルヤンの街の近郊に暮らし、「カプタン・ジュン・ウミガメ保護財団」を通じてビーチの保全運動を続けている。

「まだ戦いに勝ったわけではない」とヘイモフさんは言う。川には観光客などを乗せた600隻以上のモーターボートが行き交う。ボートのプロペラを覆う財団のロゴ入りカバーが取り付けられていなければ、ウミガメが傷つけられる恐れがある。

飲食店がウミガメに与える食べ残しも問題だ。カメが病気になったり、安全な海に行かなくなってしまう恐れもある。保護団体などは今年のシーズンが始まる前に、餌やりを禁止させたい考えだ。

「ダルヤン・デルタは動物園ではない」とハミノフさんは言い、繁殖地の近くに巨大なカメの像を作る計画にも反対している。

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