オーストラリア・パース(CNN) クアラルンプール発北京行きのマレーシア航空370便が消息を絶っている問題で、インド洋南部で続けられている機体残骸などの捜索作業は5日、海面だけでなく、海底でも本格実施される見通しとなった。
海底捜索では、同機が積む飛行記録装置や操縦室の音声記録装置が入ったいわゆる「ブラックボックス」の位置特定や回収が主要目的となる。
飛行記録装置などは自らの位置を知らせる音波発信機能を持つが、正常に作動していた場合、音波用のバッテリーは7日に尽きるとの見方がある。それだけにブラックボックス発見は時間との勝負ともなっている。
370便は先月8日未明に交信を絶っていた。
多国間の機体捜索作業を調整するオーストラリア当局によると、海底捜索は英海軍の調査船と豪州海軍の補給艦が4日に開始。長さ約240キロの範囲で、6500~1万3000フィート(約1981~3962メートル)の深度で海底を調べた。
豪州の補給艦には、米国から調達した最深で6100メートルでの音波探知が可能な海中マイクなどの最新装置が積まれている。ただ、飛行記録装置の開発経験がある豪州の科学者は、今回の捜索でブラックボックスが発見されるなら驚くべきこととなると作業の困難さを指摘している。
豪州政府によると、5日の捜索には軍、民間合わせ約13機の航空機と船舶11隻が加わる。捜索海域は4日より狭まり、約21万7000平方キロ。場所は豪州西部パースから西方へ約1690キロ離れた海域となっている。
しかし、この海域で機体残骸などが見付かる保証はない。米海軍幹部は決定的な残骸の証拠が見付かるまで、捜索に当たる海域は憶測に過ぎないとも認めた。
370便の残骸発見には長期間かかるとの見方も強まっている。大西洋に2009年に墜落したエールフランス航空447便の事故では、残骸は5日後に見付かっていた。ただ、残骸の主要部分、ブラックボックスや多数の遺体発見までには約2年要した。
この中で豪州のアボット首相は3日、機体捜索で最終的な成功を収めることに確信は抱けないと慎重な姿勢を示した。今回の捜索作業については人類史上、最も困難な内容になるとも述べていた。
海底捜索も本格化、マレーシア機不明