調査捕鯨に中止命令、日本は順守するのか

2014.04.02 Wed posted at 14:32 JST

(CNN) オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)が、南極海で日本が行っている調査捕鯨は科学的な調査とは認めらないとの判断を示したことについて、米ストーニーブルック大学のブルーオーシャン研究所長カール・サフィナ氏がCNNに意見を寄稿した。日本は欧米の文化を取り入れて来た歴史にならい、古い文化を捨てるべきだとの主張を展開している。

サフィナ氏はICJの判決を歓迎し、「日本の『科学的』捕鯨はたわ言だったとICJが認定した」と解釈。日本が判決に従うと表明していることについても、「日本は歴史的に、国際的な意向の限界点を逸脱してルールを曲げる創造性を発揮してきた。当局も捕鯨業者もまずクジラを殺すことが先決で、理屈は二の次になっているようだ。捕鯨に無意味な変更を加え、漁を続ける言い訳にされとしても不思議はない。あるいは判決は南極海の調査捕鯨のみが対象で、太平洋での捕鯨には当てはまらないと言い出す可能性もある。またはノルウェーやアイスランドのように、単純に捕鯨禁止を無視するかもしれない」と主張する。

捕鯨に反対する理由としてサフィナ氏は、過去60年の間に南半球で約200万頭のクジラが殺されたと述べ、大型クジラのほとんどは頭数が回復していないと指摘。さらに、クジラに苦痛を与えずに殺す方法が存在しないことや、「値段は鶏肉の約10倍もする。クジラの肉がなくなっても餓死する人はいない」ことを挙げた。

同氏によれば、水産庁幹部は2012年に、ミンククジラは刺身にして食べるととても美味で香ばしく、調査捕鯨はミンククジラの肉の安定した供給を確保するために必要だと発言したという。「これは言い換えれば、調査捕鯨の目的は科学調査ではないということだ」とサフィナ氏。

捕鯨は欧米諸国が牛を殺すのと同じだという主張については、「日本の法律では牛に苦痛を与えず即死させることを義務付けている。もしクジラを殺しているようなやり方で牛を殺せば日本の法律に触れる」と論じている。

捕鯨は日本の文化だという主張に対しては、「これはニューイングランドの文化でもある。過去の文化だ。米国のレストランの壁には旧式のもりが飾ってある。それがあるべき場所だ。日本は残忍で役に立たないクジラ殺しに対する奇妙な入れ込みを改めるべき時だ」と力説した。

さらにサフィナ氏は、「日本は野球からジャズ、ビジネススーツ、列車、たばこに至るまで、西洋の影響を取り入れて来た。スズキ(自動車)は古い文化を想起させる『サムライ』という乗用車を製造しているが、そこにしがみつくためのサムライ刀は製造していない。今こそ日本は21世紀に入り、捕鯨を永久に中止すべきだ」と結んでいる。

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