2019年ラグビーワールドカップ、日本開催

2014.03.28 Fri posted at 13:58 JST

(CNN) 日本は2019年にラグビーワールドカップのホスト国を務める。アジアでは初となる。2016年リオ五輪より正式種目となる7人制ラグビーの世界大会「HSBC Rugby Sevens」の東京大会「Tokyo Sevens」が3月22日と23日に開催された。CNNは日本における実情を取材した。

日本にはラグビーチーム3361あり、競技人口は12万5000人で世界で6番目に多い。それなりに人気はあるものの、スポーツは野球とサッカーに席巻されている状態だ。

2011年から1年間、東京のリコー・ブラックラムズに所属した元イングランド代表のジェームズ・ハスケルは、「日本のラグビーが躍進する可能性は100%ある。競技人口、人気、コーチの意識を含め、急速に成長していると感じる。日本人はラグビーをするには小さ過ぎるなどと言われるが、そんなことはない。ワールドカップが日本で開催されることで、人気が上がり、競技人口もさらに増えると期待している」と言う。

日本におけるラグビーの歴史は古く、最初の試合は、1874年に日本対イギリス航海士のチームで開催されたと記録されている。その後19世紀末にケンブリッジ大学の卒業生が慶応大学で公式に発足したという。ラグビーを日本に持ち込んだエドワード・クラーク教授によると、ラグビーは日本の伝統によく合っており、ラグビーワールドカップ招致を主導した森喜朗元首相も「ラグビーは1人のスターが活躍するのではなく、1人は皆のために、皆は1人のために、の精神に基づいている。」と語っている。

日本は現在世界ランク13位。ワールドカップ開催に向け、日本代表コーチ、エディ・ジョーンズの指揮のもと2015年にはトップ10に食い込むことを目指している。ジョーンズは、2009年から2012年にサントリーのチームを率いた後、日本代表コーチに就任した。 ジョーンズは、「日本のラグビー文化はとてもユニークで、それに順応する必要があった。良い文化は残しつつ、新しいものも取り込むことが大切だ」と述べる。

ジョーンズはまた、外国人選手のみに頼るのではなく、日本選手の積極的起用を進めている。「外国の選手やコーチを入れることは、外に目を向ける上で大切だ。重要なのは、2019年に向けて15人制、7人制の両方の成長を通して、ラグビーを活気づけることだ」としている。

日本にとって、ほかの国に比べ最大のハンディとなっているのは、選手の多くがフルタイムで仕事をしているということだ。

2003年に設立されたトップリーグには、パナソニックやサントリーといった大きな社名が軒を連ねる。しかし、非常に限られた選手のみが競技一本で活動しており、それは大方外国人選手だ。アマチュア選手は会社に所属し、基本給と安定を手に入れる。その結果、選手がチームを変わることはまれだ。

前出の元イングランド代表ハスケルは、実業団というコンセプトには戸惑いがあったという言う。「通常、日本のチームには60名ほど所属している。そのうち12名ほどがフルタイム・プレーヤーで、その他の選手は毎日別の仕事をしている。日本の労働法の事情などもあり、正社員としての仕事を手放すことを避ける。その結果、年配の管理職と若い社員が混在したチームが出来上がる」

しかし、世界の選手が入ってくることで、日本にも変化が起きている。日本の選手も、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカといった国のチームに渡る機会が増えており、今年も立川理道選手が、日本人3人目となるオーストラリアの名門ブランビーズと契約した。

2月には史上初めて、天皇陛下が秩父宮スタジアムで試合観戦。「スポーツ観戦はそんなに頻繁にされないと思うが、そんな中、来ていただいたのは非常に大きなこと」とジョーンズは言う。

しかし、特に東京における芝生競技場の不足は、改善されるべき点だ。唯一あるフィールドは、多くのチームにより使い古されてしまっている。さらに欲を言うと、テレビ放送が少ないことも問題だ。

ワールドカップの開催は、日本のラグビー界にとって非常に大きな意味を持つだろう。今後に注目だ。

7人制ラグビー「セブンズ」に迫るCNNの番組「Rugby Sevens Worldwide」は、CNNjにて3月は東京セブンズを特集(3月29日16:45、3月30日06:15 ほか)。4月は香港セブンズを特集します。

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