(CNN) 消息を絶ったマレーシア航空機の乗客の家族らは25日、マレーシア政府などの対応に抗議し、北京市内でデモを実施した。機体の捜索は26日、インド洋南部で再開された。
不明機を巡っては、マレーシア当局が24日、英民間企業インマルサットが観測したデータの解析に基づき、インド洋南部に墜落したとの結論に至ったと発表。同国のヒシャムディン運輸相代行は「情報公開と家族への敬意という2つの原則に沿って発表に踏み切った」と強調した。
これに対して乗客の家族らは「墜落したという証拠がなく、データ分析だけでは納得できない」「マレーシア当局はうそをついている」などと反発。数百人のデモ隊が北京のマレーシア大使館に向けて行進した。
大使館の入り口近くでは、私服の警官がデモ隊に近づこうとする報道陣を阻止した。参加していた女性が強いストレスで倒れ、救急車で運ばれる場面もあった。
インマルサットの衛星データによると、同機から約1時間ごとに発信されていた信号は8日午前8時11分ごろを最後に途絶えた。データを詳しく解析した結果、この時点で機体はインド洋南部上空を南へ向かっていたことが確認されたという。
約1時間後の同9時15分には通信が成立しなかったことから、同機は8時11分から9時15分の間に墜落したと断定された。本来の目的地だった北京への到着予定時刻を数時間過ぎていて、飛行可能距離の計算とも一致するという。
マレーシアのヒシャムディン運輸相代行によると、マレーシア機が北へ向かった場合の到達地点とされた中央アジア方面の陸地での捜索は打ち切られた。一方インド洋南部では、悪天候のためいったん停止されていた捜索が再開した。
捜索には、日本をはじめ、オーストラリア、ニュージーランド、米国、中国、韓国が参加している。
対象海域はオーストラリア西部パースから約2400キロ離れ、100万平方キロ以上の広範囲に及ぶ。複数の衛星や偵察機からこの海域で浮遊物を発見したとの報告があったが、マレーシア機の残骸かどうかは確認されていない。
すでに海底に沈んでしまったり、遠くへ流されたりした可能性もある。同機に搭載されていた音波発信装置は、消息を絶ってから1カ月後の4月7日ごろに停止するとみられる。
同機が突然ルートを変更した理由も不明のままだ。マレーシア当局によると、警察や軍が関係者の事情聴取などを通し、謎の解明に取り組んでいる。
マレーシア機乗客の家族が抗議