クアラルンプール(CNN) 消息不明となっているマレーシア航空機から最後に送信された情報は、予定通り北京行きのルートを示していたことが24日までに分かった。針路変更後に大きく高度を下げたとの情報もあり、機体に重大な故障が生じていた可能性が高まっている。
マレーシア機から地上へ30分ごとに機体の情報を送信していたシステム、ACARS(エーカーズ)からは、8日午前1時7分に最後のデータが届いた。マレーシア当局が23日に発表したところによると、このデータには全く不審な点がなく、目的地も本来の北京に設定されたままだったという。
30分後の1時37分にはACARSの情報が受信されなかった。同機はこの間に、北京とは逆の西方向へ方向転換したとみられている。
操縦席とマレーシア管制との最後の交信は1時19分だったが、方向転換はこれより前にシステムに入力されたとの見方が強く、操縦士らが計画的に針路を変えた可能性が指摘されていた。
このシナリオが否定されれば、同機は突然の故障により、緊急着陸するために引き返したとの説が有力になる。
一方、捜索の状況に詳しい情報筋が匿名でCNNに語ったところによると、マレーシア機は方向転換後、高度を1万2000フィート(約3600メートル)前後まで下げていたことが、軍のレーダーによる追跡データで分かったという。
専門家によれば、故障などで機内の気圧が下がり始めた場合、操縦士はできるだけ早く、意図的に高度を下げて対処することがある。
マレーシア機の捜索には24日、中国と日本からそれぞれ航空機2機が新たに加わった。オーストラリアと中国の衛星がインド洋南部で大きな浮遊物を発見したとの発表に続き、フランス外務省も23日、同国の衛星がオーストラリア西部パースの沖約2300キロの海域に浮いている物体をとらえたことを明らかにした。
オーストラリアのアボット首相は記者会見で「非常に信頼性の高い複数の手掛かりが得られ、真相解明への期待が高まっている」と語った。
不明機、最後の通信には異常なし