「5年以内に病死するリスク」を血液検査で予測 国際研究

2014.03.12 Wed posted at 09:26 JST

(CNN) 5年以内に病気で死亡するリスクを、血液検査の特定の項目の組み合わせによって予測できるとの研究結果が、このほどフィンランドとエストニアの共同チームによって発表された。

チームは、両国で18~103歳の計1万7000人以上を対象に長期的な追跡調査を実施。血液検査で100以上の項目を調べ、測定した時点から5年以内に死亡することを示す指標となる項目を捜した。成果はオンライン医学誌「PLoSメディシン」に掲載された。

それによると、血液中のアルブミン、α(アルファ)1酸性糖たんぱく質、クエン酸の濃度と、超低比重リポ蛋白(VLDL)の粒子サイズという計4項目を組み合わせることで、最も正確に死亡リスクを予測できることが分かったという。

たとえばエストニアのグループでは、5年間の研究期間中に死亡した人のうち、288人は4項目のスコア合計が上位20%以内だった。反対に、この中で下から20%以内に入っていた人はわずか15人。フィンランドでの研究結果にも同様の傾向がみられた。遺伝的な体質や年齢、体重、喫煙や飲酒、コレステロール値、持病といった要因を考慮しても、これら4項目に基づく予測結果は変わらなかったという。

4項目はそれぞれ、単独で虚弱さや病気のかかり始めを示す「バイオマーカー」として知られるが、どんな年齢の人についても病名を問わず健康悪化を予測できる単独の指標は、今のところ見つかっていない。4項目を組み合わせることにより、いずれはそうした検査が可能になるかもしれない。

ただし、この組み合わせがどうして有効なのか、一斉検査が医師や患者にとってどのような意味を持つのかといった疑問は残されたままだ。論文をまとめた研究者の1人は「高リスクなのに自覚症状がないという人々を探し出し、病気の早期発見、早期治療に役立てることができる」と話す。

これに対して生命倫理学者のダニエル・カラハン博士は「いたずらに不安をあおることになる」と警告した。チーム側は、「検査が一般に普及するのは高リスク層への治療法が確立されてからになるだろう」と説明している。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。