(CNN) 東日本大震災から11日で3年。今年2月までに確認された震災による死者は、1万5884人に上っている。震災と津波、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、CNNが伝えた主なニュースを振り返る。
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2011年3月11日午の日本時間午後2時46分、三陸沖の海底を震源とする巨大地震が発生した。震源の深さは約24キロ。米地質調査所(USGS)は当初、マグニチュード(M)8.9と発表した。地震発生から約1時間後までに、東北から関東にかけての海岸に高さ10メートル前後の津波が押し寄せた。
12日にかけ、本州各地の広い範囲でマグニチュード6クラスの余震が相次いだ。福島第一原発では原子炉を冷却するための電源が失われ、政府は原子力緊急事態を宣言した。宮城県の南三陸町では、人口の半数以上に当たる約9500人と連絡が取れないと伝えられた。
政府は13日までに、福島第一原発から半径20キロ、第二原発の半径10キロ以内の住民に避難指示を出した。一部でメルトダウン(炉心溶融)が起きているとの可能性が指摘され、放射能汚染の懸念が強まった。
USGSは14日、地震のマグニチュードを9.0に修正した。これは1900年以降に世界で起きた地震の中で4番目の規模に当たる。原発や火力発電所の停止にともない、東電管内ではこの日以降、計画停電が実施された。
福島第一原発では15日までに爆発が相次いだ。原子炉を冷やすため、海水の注水作業が続けられた。
16日には天皇が全国民に向けて異例のメッセージを出し、希望を捨てないよう呼び掛けた。枝野幸男官房長官はこの日の記者会見で、福島第一原発から20~30キロ圏内の放射線量は「ただちに人体に影響を及ぼす数値ではない」と報告した。
一方、米原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコ委員長は同日、議会での証言で、福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの水がなくなっているとの見方を示し、放射線レベルへの強い懸念を示した。
自衛隊は17日、ヘリコプターによる空中放水を実施した。
原子力安全・保安院は18日、福島第一原発事故の原子力事象評価尺度(INES)をレベル4から、1979年の米スリーマイル島原発事故と同じレベル5に引き上げた。
INESの評価は4月12日、86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故と同じレベル7まで引き上げられた。
野田佳彦首相は12月16日、「原発が冷温停止状態に達し、事故そのものは収束した」と発表した。政府の事故調査・検証委員会は12月26日に中間報告、12年7月23日に最終報告を発表した。
12年7月5日に発表された国会の事故調査委員会報告書は、原発事故は人災だったと断じた。
日本政府の推計によると、津波で生じたがれきのうち約500万トンが太平洋に流出した。このうち約7割は海底に沈み、残りの150万トンが海上を漂流しているとみられる。