(CNN) 米フロリダ州マイアミの進学校の校長だった男性が、学校を相手取った年齢差別訴訟で和解金8万ドル(約810万円)を勝ち取っておきながら、娘が交流サイトのフェイスブックでそれを吹聴したために、和解金をふいにした。
ガリバー・プレパラトリー・スクールの校長だったパトリック・スネイ氏(69)は、2010~11年の雇用契約が更新されなかったのは年齢差別に当たるとして同校を提訴し、未払い分の給与1万ドルと和解金8万ドルを受け取る内容の和解が成立した。スネイ氏の弁護士費用6万ドルも学校側が負担することで合意した。
ところが和解成立から間もなく、スネイ氏の娘がフェイスブックに、「父と母がガリバーに勝訴。私のこの夏のヨーロッパ旅行はガリバーが払ってくれる」と書き込んだ。
フェイスブックでこの投稿を読んだ1200人の中には、同校の生徒や卒業生も多数いた。投稿は瞬く間に広がり、学校関係者の目に入った。
数日後、同校からスネイ氏の弁護士に、秘密保持契約違反があったため和解金8万ドルの支払いには応じられないという通知が届いた。
和解条件には、和解のことを弁護士以外の人物に話してはならないと明記されていた。
これに対してスネイ氏は裁判所に和解金の支払いを申し立て、一審では請求が認められたが、学校側はその判断を不服として上訴した。
フロリダ州の控訴裁はこのほど、一審の判断を覆してスネイ氏が秘密保持契約に違反したと認定。「スネイ氏は契約に違反して、しないと約束したことをした。娘はガリバーの関係者に、スネイ氏が学校に対する年齢差別訴訟と報復訴訟に勝訴したと宣伝した」との判断を示した。
スネイ氏は現在、フロリダ州の別の進学校の校長を務めている。