国連安保理、シリア人道支援決議を採択 ロシアと中国も支持

人道支援強化に関する決議が全会一致で採択された

2014.02.23 Sun posted at 17:07 JST

(CNN) 国連安全保障理事会は22日、内戦下にあるシリアの都市で包囲され食糧不足などに直面する市民を救済する人道支援強化に関する決議を全会一致で採択した。

シリア関連の過去の決議に抵抗し、シリアのアサド政権寄りの主張を続けるロシアや中国を含め、安保理理事国15カ国が全員支持した。

決議は、火薬や金属片など詰め殺傷能力の向上を図る「たる爆弾」の使用禁止を含めた暴力の停止、アルカイダ系組織が絡むテロ攻撃の非難を盛り込んだ。

また、人権関連法の広範な侵害でシリア当局の責任を糾弾し、北部アレッポ、首都ダマスカスや中部ホムスの各都市などの人口密集地区での包囲解除を全当事者に要求した。

ケリー米国務長官は決議採択を受け、実行される可能性がある約束を得たとの声明を発表。ただ、採択は最初の1歩に過ぎず、「安保理の言葉がシリア住民が絶望的に、緊急に欲している生命救済の措置につながるのかが試されている」と主張した。

決議は、順守が実現しなかった場合の制裁や罰則には触れず、「さらなる措置を講じる」との表現にとどまった。

国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、ロシアのチュルキン国連大使はバランスが取れた内容の決議を支持したと説明。一方、シリアのジャファリ国連大使は人道支援は政治目的とは無関係でなければ適切かつ効果的に実行されないと主張。テロ阻止を図る行動と同調しなければならないとも強調した。

一方、シリアの反体制派「地域調整委員会」によると、国内での戦闘は22日、全土で依然続き子どもと女性のそれぞれ9人を含む少なくとも59人が死亡した。大半の犠牲者はアレッポ県で生まれた。

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