航空乗務員27%がセクハラ体験、加害者59%が乗客 香港

2014.02.22 Sat posted at 15:54 JST

(CNN) 性差別などの解消を目指す香港の公共機関「平等機会委員会」は22日までに、フライト勤務中の航空乗務員に対する性的嫌がらせに関する報道発表文をまとめ、アンケート調査に応じた総数の約27%が過去1年間に被害を受けたことを認めたと報告した。

香港の乗務員団体の協力で、昨年11月から今年1月にかけて9000人にアンケート用紙を配り、392人から回答を得た。調査対象とした乗務員は香港のキャセイやドラゴン、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)や米ユナイテッドなどの各航空会社に所属している。

392人の性別は女性が86%、男性が14%。調査用紙を配った9000人のうち、回答を寄せた女性の比率は29%、男性は17%だった。

調査結果によると、嫌がらせをしたのは乗客が約59%、操縦士や上司を含む同僚が41%だった。

被害の具体的な内容は、なでられた、触られた、キスされたやつねられたなど身体的な接触に関するものが大半。この他、下品な冗談、性的な意図をにおわせた凝視、ポルノ雑誌などの見せ付け、あからさまな性的交渉の誘いなどもあった。

同機関の広報担当者はCNNの取材に、今回調査に対する回答者の比率が低かったことには2つの要因が考えられると指摘。乗務員団体に加盟する航空会社の大半が香港を拠点にしていないため調査への返答が難しかったことに加え、セクハラ被害は他人に漏らし不快になることを嫌がる心理があると分析した。

同機関幹部は航空会社や乗務員は利用者らからのセクハラ被害を特に受けやすい業種とも指摘。香港で航空会社などサービス産業の提供者が顧客からセクハラを受けた場合、被害者を守る法的な対抗手段が欠如している現状にも言及。地元の特別行政区政府に対し性差別防止の関連条例の対象範囲を拡大することを促した。

国際的な航空会社の大半は性的嫌がらせに対処する要綱を作成しているという。

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