南北離散家族の再会事業、3年ぶり実施

南北離散家族の再会事業が約3年ぶりに始まった

2014.02.21 Fri posted at 09:59 JST

ソウル(CNN) 南北離散家族の再会事業が20日に北朝鮮で始まり、約60年前の朝鮮戦争で離ればなれになった家族が再会を果たした。再会事業は2010年11月以来、3年ぶり。

離散家族はこれまで電話や手紙、メールなどで連絡を取り合うこともできず、相手が生きているかどうかも確認できていなかった。韓国からの参加者はほとんどが80代から90代。家族との再会はこれが最後になる可能性もある。

しかし今回は北朝鮮の労働者が会場にいて全ての会話を聞いていたため、前回までのような自由な行動はできなかった。北朝鮮からの参加者は、金正恩(キムジョンウン)第1書記への感謝の言葉を口にした。

再会事業は6日間の日程で行われ、初日の20日は200人が参加した。

参加者の1人、チャン・チュンさんは、朝鮮戦争で北朝鮮に徴兵され、韓国で国連軍の捕虜となった。終戦後も韓国で暮らし、北朝鮮の家族とは離れ離れになったが、4年前に赤十字を通じて、家族からの手紙と写真を受け取った。この中には、生き別れになった時8歳だった弟の結婚式の写真もあった。

チャン・チュンさん(右)は弟と妹に再会した

ようやく再会を果たしたチャンさんは、震える手で弟と妹の手を握った。妹は「列車が通るたびに(ジャンさんのことを)思った。お兄さん、本当に会いたかった」と泣き崩れた。

機関士をしているチャンさんの息子は、北朝鮮の叔父と叔母に、「いつか列車を運転して戻って来ます。それまで元気で長生きしてください」と語りかけた。

高齢で体調がすぐれない人も多く、韓国から参加した82人のうち、19人は車いすに乗り、2人は救急車で会場に向かった。点滴を受けながら参加した人もいた。

再会への思い、離散家族に聞く 

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