(CNN) 米国の海運会社ホーランド・アメリカラインは20日までに、公海上を航行していた同社の客船内でインドネシア人の客室担当乗務員(28)が乗客の米国人女性(31)に性的暴行などを加え、殺人未遂容疑で訴追される事件があったと発表した。
容疑者は取り調べで、朝食を部屋に運んだ際、女性が浴びせた侮蔑の表現に腹を立てたと供述している。同社の社長兼最高経営責任者(CEO)は、140年の歴史がある社業でこの種の事件は初めてと衝撃を受けていることを明かした。
米フロリダ州南部地域を管轄する地方裁判所に出された訴状によると、事件は客船「ms Nieuw Amsterdam」で発生。容疑者が朝食を部屋に持参しドアを3度ノックした際、女性は「ちょっと待って」と叫んだ後、侮辱する言葉と受け止められる「son of a bitch!」を付け加えていた。女性はその後、ドアを開け、容疑者は食事を置いていった。
容疑者はその後、部屋を再び訪れたが、応答がなく去っていた。またその日の夕方、甲板上で女性を探し顔面などを殴ることを思い付いたが、他の乗客で混雑していたため断念。
夜になり女性の部屋に戻ってマスターキーで中に入り、女性の首を絞めたり、コンピューターやヘアアイロンなど用いて殴り付けていた。訴状によると、女性も栓抜きを使って抵抗。けんかはバルコニーへも広がり、容疑者は女性を海に突き落とそうともしたという。
女性は容疑者の攻撃をかわして室外に逃れ、別の乗客の助けを得ていた。けがの程度が深刻なため、船が寄港した後、空路でフロリダ州の病院に搬送された。容体の詳細はわかっていない。
容疑者は女性を襲った後、自室に戻り、乗客を殺害したとして同僚に警備担当部署への連絡を頼んでいた。その後、船内で警備員の監視下に置かれた。
ホーランド・アメリカラインの声明によると、容疑者は2012年に同社に入社。この際の身元調査では犯罪歴はなかったという。勤務態度に問題なく、職場では優良従業員ともみなされていた。
米客船で従業員が女性客襲い訴追