(CNN) 人口1400万人のアフリカ南部の国ザンビアで、小学校教育にタブレット端末を導入する試みが始まっている。
端末の名前は「ゼドゥパッド」。画面サイズは7インチで、ザンビア国内で使われている8つの言語に対応している。訓練が不十分な教師でも質の高い授業をできるように狙って開発された。
ゼドゥパッドの仕掛け人であるイギリス人起業家マーク・ベネット氏がザンビアにやってきたのは30年ほど前のこと。彼は10年以上にわたって国立大学のコンピュータ学部で働いてきた。
ゼドゥパッドには算数から体育、図工や音楽まであらゆる教科の1万2000以上の授業用の教材がインストールされており、ザンビア文部省の認可も得ている。電子メールやウィキペディアも使える。「へき地に住む、コンピュータを使い慣れていない教師でも使えるように作った」とベネット氏は言う。
2001年以降、ザンビアでは小学校への就学率がアップ。世界銀行によれば、発展途上国のなかで初等教育システムの改善が最も進んだ国の1つだ。
現在は中国で生産したハードウエアをザンビアに運び、ソフトウエアのインストールを行っている。ハードの生産や輸入にかかる費用は1台につき約100ドル。セットアップ後に先生や学校に1台200ドルで納入し、専門家が学校に行き使い方を教えるという。
ベネット氏は今後はザンビア以外のアフリカ諸国にも展開させたいと語る。途上国ではデスクトップ機器を飛ばして一足飛びに小型端末が普及すると彼は考えている。
「次の大きな変化の波は、非常に安価な携帯電話を手にした多くの人々の間から出てくると思う。そのうち、70ドル程度のアンドロイド対応のスマートフォンが出てくるだろう。そうなったら大きな変化が起きるはずだ」