全豪オープン制覇の李娜 シャラポワ超えは目前か

2度目のグランドスラムを達成した李娜

2014.02.23 Sun posted at 17:47 JST

オーストラリア・メルボルン(CNN) 1月に開催されたテニスの全豪オープンで中国の李娜(リーナー)は2度目のグランドスラム(4大大会制覇)を達成し、人気選手であるマリア・シャラポワ(ロシア)を上回る成績を収めた。

しかし、長者番付ではどうだろう。中国スポーツ界最高のスターの1人である李娜は、シャラポワを抜いて世界で最も裕福な女性アスリートとなることができるだろうか。

「可能性はある」というのが両選手の代理人を務めるマックス・アイゼンバッド氏の見解だ。

アイゼンバッド氏はCNNの取材に応じ、「この件がどういう風に展開していくか、興味深い。彼女とマリアのプレー次第だが、確かなのは、2人とも同じ高みにいるということだ」と話す。

米経済誌フォーブスによる長者番付では、シャラポワが2005年以来、女性アスリート部門1位の座を守り続けている。

しかし、李娜が全豪オープンを制したことで、さらに多くのスポンサーを獲得するのは必至。なんといっても母国である中国が巨大市場だ。

大手企業からも熱い視線が

CNNの推定では、14年の中国経済は10兆ドル(約1000兆円)規模となる。13年のフォーブス長者番付では、李娜はセリーナ・ウィリアムズ(米国)に次いで3位、その前年は2位だった。

李娜は全豪オープンの開催期間を通じて観客の人気の的。コート上のインタビューでは毎回のように笑いを誘った。

決勝でドミニカ・チブルコバ(スロバキア)を破った後には、自分を「リッチ」にしてくれたアイゼンバッド氏に感謝の意を表明。さらに、会場で見守る夫に「あなたはラッキーね!」とおどけてみせた。この模様を捉えた映像は、動画投稿サイト「ユーチューブ」上で100万回近く再生されている。

そんな李娜の明るい人柄がプレーでの成功と相まって、スポンサーにとって理想的な選手となっている、と分析するのは英コンサルティング会社グローバル・スポンサーズの創業者であるマイケル・スターリング氏。

しかし、すでに確固たる地位を築いているシャラポワに追いつくのは、容易ではない。スターリング氏は、シャラポワが長年にわたって自己のブランドを確立してきたと指摘する。

シャラポワを超えられるか

それに比べると、「李娜ブランド」はまだ新しく局地的な現象にとどまっており、極東から世界に波及するかどうかは今後次第だという。

李娜の株が急上昇したのは、11年の全仏オープン女子シングルスでアジア人初のグランドスラムを達成した時のこと。サムスン電子やナイキ、メルセデス・ベンツといった大企業がスポンサーとして名乗りをあげた。去年のフォーブス長者番付によると、こうしたスポンサー資金の後押しもあり、総額1820万ドルの収入となっている。

とはいえ、近年の道のりは決して平坦(へいたん)ではなかった。もともと、李娜は率直な言動で物議をかもし、中国メディアの批判を浴びることも多い。

去年の全仏オープン2回戦で敗退しメディアの集中砲火を受けた際には、2度目の引退も考えた。さらに去年の全豪オープン決勝では試合中に負傷する不運にも見舞われ、惜しくも優勝を逃している。

こうした激しい浮き沈みの末に達成した2度目のグランドスラム。アイゼンバッド氏は、今回の優勝には、金銭以上の価値があるという。同氏は「彼女はすでに裕福で、新しい契約の話も確実に舞い込んでくるだろう。だだ、今回の勝利で重要なのは、後世に残る名誉の方だ」と話した。

2度目のグランドスラム 李娜選手にインタビュー

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