3歳児も冷酷に殺害、大人2人と共に マフィアか 伊南部

イタリア南部で3歳児が殺害される事件が発生、警察が捜査を進めている

2014.01.30 Thu posted at 18:50 JST

ローマ(CNN) イタリアの検察当局は30日までに、同国南部カラブリア地方のコセンツァで男女2人に加え、3歳の男児が至近距離で撃たれる事件が発生、殺し屋による凶行との見方を示した。

容疑者は特定されていないが、検事は同国南部の麻薬取引が関係している可能性があると指摘。警察当局は、南部に拠点がある犯罪組織ヌドランゲタの犯行を疑っている。

3人の遺体は今月19日、コセンツァ郊外に放置された焼け焦げた車の中で発見された。殺されていたのは3歳児、その祖父と祖父の知り合いの女性(27)。男児は頭を撃たれていた。

犯罪組織マフィア絡みの殺人には大きな驚きを見せなくなっているイタリア国民だが、幼児も容赦しなかった冷酷な犯罪には震撼(しんかん)している。バチカンのフランシスコ法王も前例のない事件に衝撃を受け、26日の礼拝で信者に3歳児への祈りを求めた。

祖父は麻薬関連で自宅軟禁の判決を受けており、今回の殺人の標的だったとみられる。

フランシスコ法王も男児の殺害に衝撃を受け、礼拝で信者に祈りを求めた

男児の母親(24)は麻薬保持や密売で禁錮4年の刑を受け、2度目の服役を開始したばかりだった。4歳と5歳の子どももおり、事件発生を受け国内の別の地方で保護下に置かれた。母親はこの子ども2人と一緒に生活するため自宅軟禁処分が許され、残りの刑期を務める見通し。

イタリア議会の反マフィア委員会の責任者によると、母親の麻薬保持などにはヌドランゲタが関与していた。母親は殺された息子の葬儀には出なかったが、警察は出席すれば、ヌドランゲタの標的になることを危惧(きぐ)していた。

3歳児の殺害事件は、貧困層が多いとされる同国南部で犯罪組織の巣くう社会の中で成長期を過ごす子どもの保護政策をめぐる論議も招いている。アルファノ・アンジェリーノ内相と国家警察長官は殺された男児名を持つ緊急法案の提案書に共同署名し、子どもの権利保護を要求した。

また、カラブリア州政府の責任者は国の未成年者の権利監視団体に書簡を送り、今回殺された男児のように危険な環境にある子どもの将来を守る方法の構築に真剣に取り組むよう促した。

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