アブダビ沖の「芸術と文化の島」構想 2020年完成へ

2014.01.30 Thu posted at 10:21 JST

アブダビ(CNN) アラブ首長国連邦アブダビ沖のサディヤット島で、芸術と文化をテーマにした大規模な開発が進んでいる。島には2020年までに一流の美術館や学校、住宅などが完成するという。

サディヤット島はペルシャ湾の青い海に浮かぶ楽園だ。推定総工費270億ドル(約2兆7600億円)というプロジェクトの規模は、世界でも最大級。その大胆さはいかにもアブダビらしい。

構想の目玉となる美術館「ルーブル・アブダビ」は15年12月のオープンを目指し、24時間態勢で工事が進む。フランス建築家ジャン・ヌーベル氏が、「光の雨」という名のドームを設計した。ルーブルに続き、美術館「グッゲンハイム・アブダビ」と「ザイード国立博物館」も建設される。

すでにこの島の住民となっている英国人のスー・ベルさんは、「英国ではすべてが過去に向かっていた。ここは何もかも前向きで勢いがある」と魅力を語る。ただし、ぜいたくな環境から容易に想像がつく通り、ここで暮らすにはかなりの財力が必要だ。

コテージタイプの住宅は125万ドルから、寝室7室の邸宅は750万ドル。

開発を手掛けるアブダビ観光開発投資会社(TDIC)によれば、セントレジス・ホテル併設のコテージやアパートはすでに完売した。完成済みの別の区画も9割が埋まっている。この島で不動産を買う人の80%以上が、投資のためというより、自分が住むことを前提としているという。

子育て世代にアピールするため、教育機関も誘致する。英国の名門クランレー寄宿学校や米ニューヨーク大学のキャンパスが開設される予定だ。

工事現場で働く作業員の待遇が人権擁護団体から「搾取(さくしゅ)」と非難されたこともあるが、TDICは「改善が必要な部分はすぐに改善するというのがわれわれの立場だ」と強調している。

アブダビ沖の「芸術と文化の島」構想

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