（ＣＮＮ） 高い天井に暖炉付きの部屋に地図なしでは歩けないほどの広さの裏庭――。そんな大邸宅での生活を夢見た人は多いだろう。米国には、かつて裕福な政治家や綿商人などが住居として使用していた邸宅を改装して作られたホテルがあり、１泊分の宿泊費で大邸宅のオーナーの気分が味わえる。そこで今回は、米国内の「邸宅」ホテルを８カ所ご紹介する。
ザ・チャンラー・アット・クリフウォーク（ロードアイランド州ニューポート）
米東部ニューポートの海岸線に建つこのホテルは、１８７３年にニューヨークのジョン・ウィンスロップ・チャンラー議員夫妻の私邸として建てられた。その後、米国の詩人ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローや第２６代大統領セオドア・ルーズベルトらも使用していたが、現在はホテルに改装され、誰でも宿泊可能だ。
１泊２２９ドルから。
ウェントワース・マンション（サウスカロライナ州チャールストン）
歴史ある街チャールストンにあるこのホテルの建物は、客室数２１室の４階建て。１８８６年に南部の裕福な綿商人フランシス・サイラス・ロジャースとその妻と１３人の子どもたちの私邸として建てられた。
その後、建物は全面改修されたが、ティファニー製のステンドグラス、型押ししたスズの天井、水晶のシャンデリア、大理石の炉棚など、建物を設計した建築家ダニエル・Ｇ・ウェインのこだわりが随所に見られる。
１泊３９０ドルから。
キャッスルホテル・アンド・スパ＝同ホテル提供
キャッスルホテル・アンド・スパ （ニューヨーク州タリータウン）
マンハッタンから北に３０分ほど行ったところにあるこのホテルは、１９１０年に、著名な新聞記者兼劇作家ジェネラル・ハワード・キャロルの住居として建てられた。中世のウェールズやスコットランド、アイルランドの要塞を模して建てられた建物は、総部屋数４５室を誇る。
２０１３年はじめに全面改装されたが、複雑な彫刻がほどこされた木製階段や、手おので削り出したオーク材のはり、鉛枠ガラスの窓などはそのまま残っており、「旧世界」の雰囲気を感じさせてくれる。
１泊３２０ドルから。
ケズウィックホール・アット・モンティチェロ（バージニア州ケズウィック）
今の姿からは想像できないだろうが、１９１２年に建てられたこのホテルの建物は、その後ひどく荒れ果て、しばらくの間、板でふさがれていた。
しかし１９９０年に英国の著名なファッションデザイナー、ローラ・アシュレイの夫バーナード・アシュレイがこの邸宅を購入し、２５００万ドルを投じて大規模な改装を行った。その結果、建物は現代風に生まれ変わったが、基礎構造やデザインは維持されている。
１泊４９５ドルから。
ドルチェ・ヘイズ・マンション＝同ホテル提供
ドルチェ・ヘイズ・マンション（カリフォルニア州サンノゼ）
この地中海風の大邸宅は、ミシガン州とウィスコンシン州での鉄鉱石採掘事業で財を成したメアリー・ヘイズ・チノウェスとその２人の息子が１９００年代初頭に建てた。１９８５年にサンノゼ市が購入し、会議場に改装。その後、２１４室の客室が追加され、現在は宿泊施設として利用されている。
１泊１４９ドルから。
キャッスルヒル・リゾート・アンド・スパ（バーモント州キャベンディッシュ）
グリーン山脈に抱きかかえられるようにたたずむこの英コッツウォルズ風の豪邸は当初、バーモント州知事を務めるなど、数々の偉業を成したアレン・ミラー・フレッチャーの私邸だった。この邸宅は、バーモント州で初めて完全な電気配線がなされた家であると同時に、同州初のエレベーター付きの家でもある。
宿泊するゲストは、１９０５年にまでさかのぼる階段の壁紙や、外壁を建設するために削り出された片麻岩などから、邸宅の由緒正しいデザインの数々を目にするだろう。
１泊２７９ドルから。
ウィルバートン・イン＝同ホテル提供
ウィルバートン・イン（バーモント州マンチェスタービレッジ）
キャッスルヒル・リゾート・アンド・スパから南西に１時間ほど行ったところにあるこのホテルは、ある農夫がポーカーゲームで勝ち取ったとされる土地の丘の上に立っている。建
物は、シカゴの実業家で鉄道メーカーのアルバート・Ｍ・ギルバートの別荘として建てられ、１９０２年に完成した。その後何度か所有者が変わり、現在は旅行者向けの宿泊施設になっている。
１泊１９５ドルから。
クランウェルリゾート・スパ・アンド・ゴルフクラブ（マサチューセッツ州レノックス）
このリゾートの建物は、１８９４年にヴァンダービルト家の親戚で家具会社のオーナーでもあるジョン・Ｗ・スローンの住居として建てられた。
同氏は建物の設計を一流建築事務所ピーボディ・アンド・スターンズに委託。庭の設計は、ニューヨークのセントラルパークを設計した造園家フレデリック・ロー・オルムステッドが手掛けた。
１泊２１５ドルから。