ノアの箱舟は円形だった? 4千年前の石板に「新説」

2014.01.29 Wed posted at 15:03 JST

(CNN) 古代メソポタミア文明が栄えた現在のイラクで、旧約聖書に登場する「ノアの箱舟」とそっくりの物語が記された4000年前の石板が発見された。ただ、箱舟の形が大きく異なることから、聖書や考古学研究者らの間で論議が巻き起こっている。

石板は英国の研究者が発見したもので、くさび形文字を解読したところ、神が洪水を起こし、唯一の生存者があらゆる動物を船に乗せたという物語が記されていた。動物はすべて「2匹ずつ」船に乗せたというくだりまで、ノアの箱舟と共通していた。

ところが大きな違いが1つあった。旧約聖書に登場するノアの箱舟は普通の細長い船の形をしていて、船体の全長は船幅の6倍、甲板が3つあって側面から乗船することになっている。

これに対してメソポタミアの箱舟は円形で、縄でできた船体に防水のための塗装が施してある。研究チームはこの記述に沿った模型を作り、実際に水に浮かぶかどうかを調べる予定だという。

古代メソポタミア地域では、これほど巨大ではなかったとしても、実際に円形の船が川で使われていたことが分かっている。

一方、古代の中近東では一般的な舟形の船が描かれている。こうした船は川ではなく地中海を航行していた。

石板や聖書に記された内容は史実ではなく、当時の人たちが自分たちの時代や生活様式を取り入れて、洪水の物語を発展させていたようだ。

ノアの箱舟は円形だった?

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