米大統領が一般教書演説、「行動の年」を呼びかけ 格差是正へ注力

一般教書演説に臨むオバマ大統領

2014.01.29 Wed posted at 14:55 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は米東部時間28日午後9時(日本時間29日午前11時)、連邦議会での一般教書演説で今年の施政方針を示した。

大統領は演説の冒頭で、教育、雇用、産業、財政の状況が米国民自身の努力によって改善していると強調し、政治がこの流れを妨げてはならないと訴えた。

下院で過半数を占める野党共和党との対立で施策の実現が滞っていることへの反省を踏まえ、「今年を行動の年にしよう。多くの米国人がそれを望んでいる」と呼び掛けた。

大統領はまず雇用や賃金格差の問題を取り上げ、こうした問題に取り組むうえで、議会の承認を必要としない大統領令を積極的に活用していく考えを示した。

国内産業の振興策やエネルギー政策についても議会の協力を求めるとともに、大統領自身が手続きの簡素化やハイテク拠点の設置、国有地の自然保護などを主導すると表明した。

連邦議会でオバマ氏による一般教書演説が行われた

経済問題の一環として移民法改正に言及し、「今年こそ制度改革を実行しよう」と述べた。昨年末に期限切れを迎えた失業保険制度についても改めて給付延長措置を求めるなど、各政策の経済的な意義を強調し、共和党に改めて圧力をかける姿勢を打ち出した。

最低賃金については、大統領令により連邦政府の一部契約職員の時給の下限を10.10ドルに引き上げると表明し、これに続いて議会でも賃金引上げ法案を成立させるよう強く求めた。

共和党が医療保険制度改革の見直しを主張していることに対しては、「改革によってすでに何百万人もの国民が救われている」と力説した。

国際問題ではイラクとアフガニスタンでの戦いがついに終わると宣言し、シリアの化学兵器問題やイラン核開発問題で米国が発揮した外交手腕を振り返った。

大統領は演説の終盤で、陸軍特殊部隊として派遣されたアフガンで重傷を負い、リハビリを続ける兵士を紹介。客席の兵士に会場から大きな拍手が送られるなか、米国が掲げる理想への道も兵士の回復と同様、決してなだらかではないと述べた。

そのうえで「われわれが力を合わせ、足を踏みしめて未来へ向かうなら、必ず手が届く。そう信じよう」と演説を結んだ。

米大統領が一般教書演説

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