香港(CNN) 今週末に春節(旧正月)を迎える中国で、H7N9型鳥インフルエンザの感染が広がっている。中国疾病管理当局によると今月だけで96人が感染、19人が死亡した。
H7N9型ウイルスの人への感染は昨年2月に上海で初めて報告され、3月には今月と同様のペースで患者が急増。5月以降いったん収まったものの、年末からまた続発している。香港の保健当局によると、昨年からの感染者は中国全土で計246人に上った。世界保健機関(WHO)によれば、これまでに計56人が死亡した。
患者は台湾や香港でも確認されている。香港では28日、中国本土から運び込まれた生きたニワトリからH7型ウイルスが検出されたとして、2万羽の殺処分が始まった。
WHOによると、患者の大半は生きた家禽(かきん)との接触で感染したとみられる。中国では春節にニワトリが盛んに売買され、中には生きたニワトリを持って帰省する人もいることから、感染拡大が懸念される。
国営新華社通信によると、患者数の多い浙江省では3都市で生きた家禽の売買が停止となっている。上海では今月31日から4月30日まで売買を禁止することが決まった。
H7N9型ウイルスは通常のインフルエンザウイルスに比べて致死率が高いが、1997年に香港で人への感染が確認されたH5N1型に比べると伝染力は弱いようだ。生きた鳥と直接接触がなかったとみられる感染例も報告されているが、WHOは「簡単に人から人へうつることはない」との見解を示している。