安倍首相に単独インタビュー、日中関係やアベノミクス語る

CNNが安倍首相に単独インタビュー

2014.01.27 Mon posted at 14:04 JST

(CNN) 安倍晋三首相は27日までに、CNNの番組「ファリード・ザカリアGPS」で単独インタビューに応じ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や日中関係などについて語った。

以下、インタビュー内容の一部

ファリード・ザカリア(以下「ザカリア」):世界中がアベノミクスについて話しているが、褒める向きもあり、また批判をする向きもある。2本の矢、つまり金融緩和と財政出動は取り組みやすい部分ではないかと思うが、先進国の中でも最も債務負担が大きい国が金融緩和をして金を使っている。その中で、これから取り組む改革が最も困難であると言われている。

安倍首相:一昨年、日本の経済は危機的だった。日本はたそがれを迎えている、日本は成長できないんだと言われてきた。

このムードを変えて日本人の自信を取り戻す必要があった。実は日本では金融の世界あるいは財政の世界においても、1本目の矢、2本目の矢は強い批判を受けた。だが私はその批判をはねのけて、黒田総裁とともに1本目、2本目の矢を放つことができた。その成果は上がっていっている。確かにこれから重要なのは3本目の矢だ。

3本目の矢の構造改革について、抵抗する人たちにも今まで私がやってきたことは正しかっただろうと認識させていく上で、難しい構造改革を進めていくことが大切だと思っている。

3本目の矢について語る安倍首相

ザカリア:今3本目の矢が難しいところだと言ったが、特に労働市場において、人を採用しまたは解雇することがより容易にならず、大胆な改革ができないならば、改革は全体的に失敗すると言って妥当か。

安倍首相:労働市場は、私も極めて重要であると思っている。同時に、労働市場は確かに国民との関係においてはセンシティブだから、しっかりと説明をしていくことが重要だと思っている。

私は労働市場については、働き方について、専門性を持った人、あるいは女性、またワーク・ライフ・バランスを変えていきたい人たちにとって柔軟性のある労働市場に変えていく。そして外国人においても、専門性を持った人たちが日本において活躍できるような、そういう日本に変えていく。

特に海外の企業にとって、雇用のルール、解雇等のルールも含めて、これが不明確だという批判もあった。それをさらにしっかりと明確にしていく。

私はやるかやらないかではなくて、やるしかないと考えている。

昨年の秋の国会でも様々なことを決めたが、農業についても、40年間行われてきた減反政策をやめることを決めた。そして農地を大胆に集約しやすくするための法律を通した。

医療の面においても、薬のインターネットの販売を広く可能にした。そして薬事法を改正して再生医療をさらに進めていくことが、またこの分野において産業を興していくことを十分に可能にした。

さらに医療や介護、さらに健康維持するための運動指導等は、それぞれ別の状態でなければできなかったものを総合的に行うことができるようになる。

この分野に新たな起業がおこる、投資がおこることを期待したい。それはひいては国民の健康の向上につながると思っている。

日中関係についても安倍首相は語った

ザカリア: 中国について、アジアの覇権国になりたいという風に思っていると考えるか。

安倍首相:中国の経済的な台頭、経済の成長は、米国と同じように日本そしてアジアの国々も歓迎している。

しかし毎年10パーセント彼らは防衛費を伸ばしている。20年間続けて伸ばしている。これはASEAN(東南アジア諸国連合)の国々にも日本にも懸念になる。

中国が経済的な繁栄を続けるためには、国際的な信頼関係が必要で、緊張感ではないということを中国が理解することが大切であり、力による現状変更は認められないんだということを中国がしっかりと認識することが大切であり、法の支配を尊重すると、この姿勢を共通認識にしたいと思う。

ザカリア:習近平国家主席が非常に攻撃的に、例えば東シナ海、南シナ海の領海などに線を引いている。日本の場合には尖閣諸島なども関わってくるが、今の中国首脳が拡張主義であると考えるか。

安倍首相:中国はこの20年間拡張を続けてきた。それは今の主席が急に始めたことではない。私は習近平主席がこの今の方向を変えることを期待をしたいと思う。軍事力の拡張は、中国の今後の未来、中国の経済の成長、中国の繁栄には何ら役に立たないんだということを、理解をしてもらうよう努力をしていきたいと思う。

ザカリア:安倍首相のリーダーシップの下で日本が台頭し、中国のこの動きに対抗する、そういう勢力になると考えるか。

安倍総理: 私は軍事的に中国に対抗しようという考え方は持っていない。

しかし私は日本の海、領土そして国民の命、財産を守る責任があるから、その責任は果たしていきたいと思っている。

軍事力の拡張については、これは中国だけではなくて、もちろん日本も含めて、ASEANの国々もそうだろうし、東アジア、またこのアジアの地域が軍事力については透明性をしっかりと確保していくと。そしてその軍事力についてちゃんと管理をしていく、透明性を確保しながらしっかりと管理をしていくことが大切だと思う。

安倍首相、アベノミクスを語る

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