受刑者の食事はパンと水のみ、国旗侮辱で米保安官

米国旗を「侮辱」したためだという

2014.01.25 Sat posted at 17:47 JST

(CNN) 米西部アリゾナ州マリコパ郡の保安官は25日までに、刑務所内で米国旗を侮辱する行為を働いたとして男性の服役者38人の食事を1週間、パンと水のみに制限する方針を示した。

保安官のジョー・アルパイオ氏は犯罪者への厳罰や中南米系住民を狙い撃ちにしたかのような摘発で過去に物議を醸している人物で、今回の食事メニューの罰則も論争を招く可能性がある。

同保安官によると、服役者38人は監房にある米国旗を破ったり踏み付けた他、文字を書いたり、トイレやごみ箱に投棄するなどした。「恥ずべき行為であり、米政府の財産の破壊である」と主張している。38人の出身国などは伝えられていない。

獄内に国旗を飾るのは愛国心を高揚させる措置の一環で、昨年11月から同保安官の提案で始められた。朝と晩には毎日、放送で施設内に国歌なども流している。国旗導入などに伴い、より多くの退役兵士を採用する考えも表明。退役兵士組の要員は現在、男女で600人以上となっている。

保安官のジョー・アルパイオ氏=KPHO提供

朝鮮戦争の従軍歴も持つアルパイオ保安官が管轄内に抱える刑務所の服役者は約8000人。同氏はアリゾナ州フェニックス地区を管轄し、2012年11月に6期目の当選を果たしていた。

ただ、服役者に対する厳しい処遇などは過去に賛否両論の論争を招いてきた。男性服役者に対しピンク色の下着を配給したり、税金の節約として刑務所の食卓から塩とこしょうを排除したりしたこともある。

この中でマリコパ郡行政当局は今月、同保安官による人種差別的な捜査手法で少なくとも2200万ドル(約22億4000万円)の出費を強いられると指摘。昨年5月には裁判所がアルパイオ氏率いる保安官事務所は交通違反や移民関連捜査でラティーノ(ヒスパニック)に対象を絞っているとの判断を示していた。

同氏は人種差別行為や公民権違反を否定し、裁判所判断には控訴している。

受刑者の食事はパンと水のみ

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