(CNN) シリアの内戦を巡ってスイスで開催される和平会議「ジュネーブ2」でイランへの招待が撤回されたことに、ロシアが強い反発を示し、会議の成果を疑問視する声が上がり始めた。イランとロシアはともに、シリアのアサド政権と友好関係にある。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は19日の時点でイランを会議に招いたと発表したが、20日に招待を撤回すると表明した。イランへの招待には、シリア反体制派や米国が反対していた。
ロシアのラブロフ外相は21日、招待撤回の裏にはアサド大統領の退陣を求める国の圧力があると非難した。そのうえで、撤回は「間違い」だが「悲劇的結末ではない」と述べ、会談ではロシアが先頭に立って偏りのない議論を求めていくと表明した。
ロシアのメドベージェフ首相はCNNとのインタビューで、「イランなしでまともな交渉は期待できない」との見方を示した。
イランのザリフ外相は同国の政府系ファルス通信を通して「失望」を表明。「米国をはじめとする特定のグループが潘事務総長に圧力をかけ、撤回を強制したことは明らかだ」と主張した。
和平会議では22日にモントルーで関係諸国による会合、24日からはジュネーブでアサド政権とシリア反体制派との直接交渉が予定されている。
21日はラブロフ外相とケリー米国務長官が非公開で直接会談したのに続き、両氏に潘事務総長、ブラヒミ国連特使が加わった4者会談も開かれるなど、直前の交渉が続いた。オバマ米大統領は同日、会議への準備を巡ってロシアのプーチン大統領と電話で会談した。
シリア和平会議、イランは不参加